05.嵐の日の真実
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それにしても、とカカシが話に入る。
「オレのいた地域はそうでもありませんでしたが、この辺りはかなりの雨が降ったらしいですね」
「そうだな、ここ最近で一番の雨量かもしれん」
頷く綱手に、サクラが反応する。
「でも昔、これよりひどい天気の日ありましたよね。雨が槍みたいに降ってきて、雷まで鳴ってた。私、みんなで避難したの覚えてるもの」
やはりサクラもあの日のことを覚えていた。
子どもにしてみたら、里中で避難行動を取るなど、めったにないビッグイベントである。
「そーいえばそーだったね」
「なんだ、そんな悪天候の日があったのか」
その頃、綱手は各地を転々としており、里にはいない。
「悪天候っつーか、異常気象っスよ、あれは」
「そんなにひどかったのか。…待てよ」
綱手は記憶を手繰り寄せるように俯いた。
「もしやあの事件のことか?」
「あの事件?」
三人ともども不思議そうな顔をする。
「少女が救ったのだろう、異常気象を利用した木ノ葉侵略を」
予想外の台詞に虚を衝かれる。
異常気象を利用した木ノ葉侵略。
初めて耳にすることだ。
サクラとカカシの様子を伺うと、同様に怪訝な顔をしていたが、やがて、カカシが何かに思い至ったらしく、少し目を見開いた。
そしてその目をやわらかく細める。
「…そうでしたね。ご存知だったんですか」
「過去のファイルでな」
どうやら事実であるらしい。
ということは、あの異常気象は人工的なものだったということか。
「なになに、どういうこと」
サクラが、わけがわからないというように説明を求める。
「あの時の大雨は、実はただの異常気象じゃなかったんだな、これが」
「何があったんすか」
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