生きている意味

31.手紙(完)


(4/5)


言葉では言いきれないほど、かんしゃしてるんだ。

この気持ちをぜんぶあらわすには、わたしの知ってる言葉じゃ全然足りない。

もどかしい。

くやしいよ。

だから、ただただ、この言葉を伝えます。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。




好きだよ、シカマル。





里はすごくきれいです。

命がかがやいてるのがわかる。

降り注ぐやわらかなひざし、ひざしをいっぱいに浴びて育つ草木、風に乗って運ばれてくる生活の匂い、里の人たちの笑い声、明るい未来の予感。

ずっとずっと、これからも続いていくんだって、続いていってほしいって、そう思う度に泣けてくるの。

私はこの里を愛してる。

心から愛してる。

この思いが、私に力をくれる。

勇気をくれる。

がんばるね。

だから応援していて。



風が変わりました。

もう時間みたい。

本当にこれでおわかれです。

この手紙は、あなたにたくすことにします。

わたしのカンだとね、きっともうすぐあなたはくるよ。

なんとなく、そんな気がする。

大丈夫だよね?

きっととどけてくれるよね?

だってあなたがわたしの期待をうらぎったことなんてないもの。

私も、みんなの未来を裏切らないようにがんばるね。



手紙はこれでおしまいです。

今まで本当にありがとう。

みんなのしあわせをねがっています。



それじゃ、いってくるね。





きみを忘れない。

シオン








――fin――
20160702

→あとがき


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