生きている意味

05.嵐の日の真実


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「そういえば、私に用って?少女がどうとか…それって、この前の大雨の日に、突然現われたっていう女の子のこと?」

「そーだ」

「誰のことです?」

カカシが綱手に問う。

任務で里を空けていたカカシは、少女のことを知らない。

「先日、この辺りに大雨が降った日にな、道端に倒れている少女をシカマルが助けたんだ」

それだけ言うと、後をつなげと綱手がシカマルに目で促した。





シカマルが今日までの運びをかいつまんで話す。





「ほー。そんなことがね。それでシカマルはサクラに助けを求めにきたってわけか」

「まー、そんなとこっス」

「ダメだダメだ。サクラは今、私の元について修行中だ。少女の面倒を見ているゆとりはないぞ。大体、お前には中忍選抜試験の係員を任せる関係で、長期任務や遠方任務は避けて与えている。一番世話をできる立場にいるだろうが」

けん制するように綱手が口を挟む。

「違うっスよ。サクラに助けを求めにきたってのはホントっスけど、丸投げしようってわけじゃぁねっス」





少なくとも、今のところは。






シカマルは、少女の警戒を解くために、同姓であるサクラに病院に同行してほしいと告げた。





「うーん、そういうことなら…」

言いよどんでサクラは綱手をちらりと伺う。

「そうだな、そのくらいの時間なら作れるだろう。サクラ、手伝ってやれ」

「はい」

綱手もそれならば、と了承の意を示した。

やれやれ、とりあえず協力はこぎつけたと、シカマルは肩をなでおろした。




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