25.サワトと第十班
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「彼らは信用できる人間だと?」
「それは私にはわからない。だが、お前が彼らを信用できる人間だと思ったということはわかる」
サワトはムッと口を結んだ。
心外だ、そんなことわかるはずがない、とでも言いたげである。
「なぜ」
「お前は今回、初めて聞いたな。『我々のしていることは正しいのだろうか』と」
サワトはバツが悪そうにそっぽを向く。
「ボクたちのような一族が必要だということはわかっています」
サクイは一つ頷いた。
「彼らの生き方に魅かれたんだろう?」
サワトはピクリと反応し、サクイと目を合わせる。
サクイは宥めるように笑んだ。
「彼らの生き方に魅かれるということは、彼ら自身に魅かれるということだ。お前は彼らと共に歩む道を夢見た。そうだな」
心の内を見事に読み当てられ、サワトは後ろめたさを隠しきれずに顔を歪める。
「悪いことではない。誰しも一度は経験することだ。私にもそういう時期があった」
サワトの顔が驚きの表情を浮かべた。
「父さんにも?」
「ああ」
サクイは照れくさそうに口端を上げる。
「お前と同じことを言ってお前のじい様に突っかかった。『あいつを裏切るようなことしたくない』とね」
サワトはポカンと口を開けた。
あまりに意外だったのか、言葉を失っている。
そんなサワトを横目に、サクイはシカマル達に視線を投げた。
「息子はきみたちを裏切った。その事実は変わらない」
サワトが俯く。
「受け入れてくれるか?息子を」
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