生きている意味

24.サワトとマガナミ


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再び、丘を風が吹きわたった。

サワトとマガナミの赤い髪が柔らかくなびく。

マガナミはサワトの話を聞いて安心した。

「そう。里を助けてくれたんだね」

サワトはバツが悪そうに頭を掻く。

「それは少し語弊がある。ボクらはボクらの役割を果たすためにそうしたんだ」

マガナミはゆるりと首を振った。

「それでもいい。ありがとう」

サワトは頷いて、気遣うような表情を浮かべる。

「…きみは、どうするの?」

マガナミは言葉に詰まった。

「…わからない」

「酷な話だけど、きみが元いた時代に帰るのは、きっとすごく難しい。きみは力をコントロールできないみたいだし、ここまでの時を超えたのも、命を失うかどうかという特殊な状況にあったからだ」

サワトはマガナミを伺う。

マガナミは両手を固く握って俯いていた。

「ボクたちと、来る?」

マガナミは顔を上げた。

「きみとボクたちは無関係じゃない。それどころか、とても縁の深い関係だ。みんな君を受け入れてくれると思う。それに、旅をしていれば、いずれ帰れる方法が見つかるかもしれない。もちろん、きみが帰りたいならの話だけど」

そこまで言うと、サワトはマガナミの反応を待った。

マガナミは唐突な提案にただうろたえている。

マガナミはどうしていいのかわからなかった。

この短時間で、自分と世界との関係性はあまりに大きく変わってしまった。

あまりに巨大な真実がマガナミの前に立ちはだかった。

目の前は、その真実に塞がれて何も見えない。

その壁の先を見据えるには、あまりに時間が短すぎた。

どうしたらいいのか、わからない。


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