生きている意味

21.まるで蕾が開くような


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「チョウジのためにしたんだろ。タイミングが悪かっただけだ」

マガナミはアスマを仰ぎ見る。

「結局迷惑かけただけだった」

「そんなことないさ」

「…ソライル草が必要だと思ったの」

「ああ、わかってる」

「みんなに謝りたかった」

「ああ」

「みんなの力になりたかった」

「ああ」

そこまで言うと、マガナミは言葉を切り、深く項垂れた。

「…でもダメだった」

アスマは柔らかい口調で諭す。

「これで終わりじゃないだろう?」

マガナミは首を振る。

「シカマル、すごく怒ってた」

「少し気が立ってただけだ」

「だけど…!」

「マガナミ」

アスマはマガナミの両肩に手を乗せた。

そして右手を頭に移し、ポンポンと軽く叩く。

「大丈夫だ。ちゃんと謝ろうな」

マガナミは、しばらく黙っていたが、やがて小さく頷いた。

「許してくれる、かな…」

「許してくれるさ」



そう。

あいつらは、シカマルは賢い。

分別もある。

ちゃんと事情が分かれば、仲直りするのは簡単なことだろう。



…そう思っていたのだが。



アスマは頭を掻いた。

そうもいかないらしいな。

「ヨシノさん、シカマルは今家にいますか?」

ヨシノは首を振る。

「出かけてるわ」

「マガナミは」

「あの子なら家に」

「ではご一緒させてください。少し話がしたいもんで」

ヨシノは表情を和らげた。

「そうしてもらえると助かるわ」


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