21.まるで蕾が開くような
(2/9)
「チョウジのためにしたんだろ。タイミングが悪かっただけだ」
マガナミはアスマを仰ぎ見る。
「結局迷惑かけただけだった」
「そんなことないさ」
「…ソライル草が必要だと思ったの」
「ああ、わかってる」
「みんなに謝りたかった」
「ああ」
「みんなの力になりたかった」
「ああ」
そこまで言うと、マガナミは言葉を切り、深く項垂れた。
「…でもダメだった」
アスマは柔らかい口調で諭す。
「これで終わりじゃないだろう?」
マガナミは首を振る。
「シカマル、すごく怒ってた」
「少し気が立ってただけだ」
「だけど…!」
「マガナミ」
アスマはマガナミの両肩に手を乗せた。
そして右手を頭に移し、ポンポンと軽く叩く。
「大丈夫だ。ちゃんと謝ろうな」
マガナミは、しばらく黙っていたが、やがて小さく頷いた。
「許してくれる、かな…」
「許してくれるさ」
そう。
あいつらは、シカマルは賢い。
分別もある。
ちゃんと事情が分かれば、仲直りするのは簡単なことだろう。
…そう思っていたのだが。
アスマは頭を掻いた。
そうもいかないらしいな。
「ヨシノさん、シカマルは今家にいますか?」
ヨシノは首を振る。
「出かけてるわ」
「マガナミは」
「あの子なら家に」
「ではご一緒させてください。少し話がしたいもんで」
ヨシノは表情を和らげた。
「そうしてもらえると助かるわ」
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