19.信じるということ
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あそこまで手強い敵と交戦することになるとは思わなかった。
結局やつらは何者だったのか、何の目的であそこまであからさまに殺気をみなぎらせていたのかは、わからず仕舞いだった。
いや、今はそんなことはいい。
今重要なのは、マガナミが見つからないことと、チョウジが負傷しているということだ。
「大丈夫か、チョウジ」
「やっぱり一度木ノ葉に戻った方がいいって。じゃなかったら、マガナミは私が探して連れ帰るから、二人は先に帰ってて」
両側から抱き抱えるようにして支えながら、シカマルといのはチョウジに声を掛ける。
チョウジは荒い息の隙間から唸った。
「ダ…ダメだ…。ボクらはあいつらを捕えていない。他の…仲間が何人いるかも、わからない…。マガナミをこれ以上一人にしておけないし…ボクらが一人になるのも…危険だよ…」
「そ、そんなこと言ったって…」
うろたえるいのに、チョウジは無理矢理笑みを作る。
「ボクは大丈夫…。早くマガナミを見つけてあげよう。きっと恐い思いをしてるよ…」
「チョウジ…」
こちらに向かってくるカカシの姿が見えたのは、その時だった。
「カカシ先生!」
いのは、驚きとも安堵ともとれる声を上げる。
「探したよ」
片手を軽く上げた彼は、チョウジの状態を見るなり表情を険しくした。
「やっぱり何かあったのか。とにかく病院に運ぶよ」
シカマルは目でカカシを制する。
「マガナミが見つからないんです」
するとカカシは瞳に笑みを浮かべた。
「大丈夫。彼女なら、森の中を歩いてたからオレが木ノ葉に連れ帰ったよ」
「えっ!」
いのが歓声を上げる。
チョウジもホッと口元を緩めた。
「よかった…無事だったんだ…」
そしてそのまま、目を閉じ、意識を失ってしまった。
「おいっ!?チョウジ!」
シカマルはチョウジの頬を叩く。
カカシは再び顔を引き締めてシカマルといのを促した。
「急ぐよ!」
三人は全速力で木の葉へと戻るのだった。
森の中を『歩いてた』って、何だよ。
――必ず戻る。動くんじゃねーぞ。
何でその場を離れたんだよ、お前は。
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