14.動き
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「うーむ…確かにそうだな。ということは、彼女とは別の勢力が木ノ葉に侵入している可能性があるということか?」
「その可能性もあります。しかし…そう何度も侵入を許すほど、里の警備は甘いもんじゃないはずです。そもそも、潜入が目的かどうかも確かじゃないっスから何とも言えません。なんつーか…やっぱりしっくり来ないっスね…」
「なんだ、こちらの説も間違いか?」
「まぁそうかもしれません。文書の確認が済めばある程度ははっきりするんでしょうが…」
「…待つしかないか」
「そうっスね」
シカマルの言葉を合図に、二人はどちらからともなく視線を逸らした。
それからどれほど経っただろうか、二人が里の近況について話し合っているところに、シズネが戻ってきた。
「どうだ、何かわかったか」
シズネは力強く頷いた。
「シカマルくんの指摘どおりでした。かなり巧妙だったので見抜くのに苦労しましたが、文書が改ざんされた痕跡があります。鷹の羽の怪我も、どこかに引っかけたというよりは、刃物で傷つけられたものかと。何者かが、文書を運んでいる鷹を捕獲し文書を偽造したものと思われます」
シカマルと綱手は顔を見合わせた。
「どうやら当たりのようだな」
「文書が偽造されていたっつートコだけですけどね」
シズネが表情を引き締める。
「一体何者が、何の目的で?情報操作だなんて穏やかじゃありませんね」
綱手は相槌を打ってから、先ほどの二人のやり取りを説明した。
相手はこちらに異変を印象付け、意識を外部に逸らすことによって里への侵入を図ったのではないかということ。
複数の侵入者の存在も否めないこと。
マガナミが関与しているかどうかは現時点では不明だということ。
どれも推測の域を出ないということ。
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