13.任務
(11/12)
「サワト、目を覚ましたわよ」
サクラの声にシカマルはホッと息を漏らした。
サワトは重症だった。
サワトが受けたのは新種の毒だったらしい。
それもかなり毒性の強いもので、投与されて二、三分で動けなくなってしまうものだそうだ。
「実験」と陽童が言っていたのは、新種の毒の投与実験ということだったのだ。
本来、すぐに動けなくなってしまうような猛毒を受けた身体で、サワトはかなりの時間動き回った。
この状態は当然の結果である。
「まったく、あいつも無茶するわよね」
助かったからいいようなものの、とサクラは呆れ顔だ。
病室に向かおうとすると、アスマとチョウジが到着した。
「どうだ、サワトの様子は」
「今ちょうど目を覚ましたみたいっス」
「よかったぁ〜」
「今から病室に行くところだ」
「じゃあボクたちも一緒に」
頷き合って、四人はサワトの病室へと向かった。
病室に入ると、白い顔でベッドに横たわるサワトと目が合った。
サワトは四人の姿を目に留めて、へにゃりと笑う。
「…やあ」
声は擦れていてかなり弱々しい。
「やあ、じゃねえよ。心配掛けやがって」
やれやれという表情でアスマは頭を掻く。
「調子はどうなの?」
チョウジの心配そうな顔に、サワトはゆっくり頷いた。
「だいぶいいよ。サクラの治療のおかげかな」
「お世辞はいいから、早く治して出て行ってちょうだい!ベッド足りてないんだって」
「あはは…厳しいなぁ」
ぴしゃりと言い放つサクラにサワトは苦笑する。
そんな中、アスマがゆっくり口を開いた。
「お前、自分ごと敵を始末させようとしたんだってな」
サワトはアスマを見る。
シカマル、チョウジ、サクラは会話を止めた。
静かに二人のやり取りを見守る心づもりだ。
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