生きている意味

13.任務


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「サワト、目を覚ましたわよ」

サクラの声にシカマルはホッと息を漏らした。





サワトは重症だった。

サワトが受けたのは新種の毒だったらしい。

それもかなり毒性の強いもので、投与されて二、三分で動けなくなってしまうものだそうだ。

「実験」と陽童が言っていたのは、新種の毒の投与実験ということだったのだ。

本来、すぐに動けなくなってしまうような猛毒を受けた身体で、サワトはかなりの時間動き回った。

この状態は当然の結果である。





「まったく、あいつも無茶するわよね」

助かったからいいようなものの、とサクラは呆れ顔だ。

病室に向かおうとすると、アスマとチョウジが到着した。

「どうだ、サワトの様子は」

「今ちょうど目を覚ましたみたいっス」

「よかったぁ〜」

「今から病室に行くところだ」

「じゃあボクたちも一緒に」

頷き合って、四人はサワトの病室へと向かった。





病室に入ると、白い顔でベッドに横たわるサワトと目が合った。

サワトは四人の姿を目に留めて、へにゃりと笑う。

「…やあ」

声は擦れていてかなり弱々しい。

「やあ、じゃねえよ。心配掛けやがって」

やれやれという表情でアスマは頭を掻く。

「調子はどうなの?」

チョウジの心配そうな顔に、サワトはゆっくり頷いた。

「だいぶいいよ。サクラの治療のおかげかな」

「お世辞はいいから、早く治して出て行ってちょうだい!ベッド足りてないんだって」

「あはは…厳しいなぁ」

ぴしゃりと言い放つサクラにサワトは苦笑する。

そんな中、アスマがゆっくり口を開いた。

「お前、自分ごと敵を始末させようとしたんだってな」

サワトはアスマを見る。

シカマル、チョウジ、サクラは会話を止めた。

静かに二人のやり取りを見守る心づもりだ。



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