…しかしその刹那志摩の視界がぐらりと揺らぐ。「あ…なんや…」身体が重い。…頭が痛い、燐の声がぐわんぐわんと頭で反響する。「れ…廉造?おい…廉造!?」なにやら身体が床に密着する感覚。その時になってやっと、あぁ倒れたんだと理解した







――…


あぁ…なんだろうか。温かい…。自分はどうしてしまったのだろうか。「ん……」掠れた声と共に開いた瞳を天井へと向けた志摩は、起き上がろうとして目眩に襲われ、頭を押さえた。「っ…」そうか、自分は燐のうちで倒れたんだったっけ

「廉造っ…駄目だって、熱あるんだから…」お粥らしきものを盆に乗せて部屋に入ってきた燐が、不安に揺れる瞳を志摩に向けた。「り…燐…」「ごめん…俺のせいで…。雨の中傘もささないで走ってきてくれたんだろ…?」「な…。謝らんといてや」

「でも…っ」「…それより俺、燐のお粥食べたいわぁ」へらりと笑って見せた志摩に、燐は一瞬目をぱちくりさせるが、やがてこくんと頷いて志摩の傍らへ盆を持ってきた。「…えと、廉造の服は洗濯したから、乾くまで俺の服着ててな…?きついかもしれねーけど…」
「おん…えぇよ。ありがとさん」「ぁ、ああ、うん…」暫しの沈黙。お粥から漂う湯気を所在なげに目で追っていた志摩は、ふいに口を開く。「あの…お粥食べる前に、さっきの続き…なんやけど」言えば燐はきょとんとした顔をした後、すっ…と頬を朱に染めた。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -