「…やっと…会えたね、燐…」


男は欲でぎらつかせた瞳を燐に向けて歯を見せて笑った。怯んだ燐はドアを押さえつける力を一瞬弱めてしまい、部屋に侵入されてしまう。
「…ゃ…だ…」
こんな奴を燐は知らない。
仮に同じ学校だったとしても顔も見たことないし、覚えもない。
部屋に土足で上がり込んできた男は逃げようとした燐の腕を乱暴に掴み、床に押し倒した。

「やだ…ぃや…!離せ…」
怖い、怖い、怖い。瞳からじわりと熱いものが溢れ、頬を濡らす。「燐…可愛いね…」男に無理矢理に口づけを求められ、抵抗も虚しく、口をこじ開けられて舌を捩じ込まれる。
「ん…っ!っ!」


嫌だ、嫌だ。身体を床に倒された状態で、男は燐の服を力任せに破いて、片方の手を燐の脇腹に舐めるように這わせてきた。抵抗したいが、拘束されて出来ない。
「んふ…っは…!」
「燐…はは…可愛い…よ」
「んっ…んん…」
舌を絡め取られじゅるじゅると吸われる。
「や…ぁ…っ…」
「燐は…俺の物だ…あんな男になんか渡すか…!」
あんな男とは志摩のことに違いない。
口内を蹂躙したままに男は燐のズボンを下ろしてくる。嫌嫌と暴れようにも力が入らなく、恐怖と抗えない快楽からの涙が溢れ、慣れない口づけで飲みきれなかったどちらのかも分からぬ唾液が口の端から垂れた。

「燐…燐…」
ねっとりした声に耳を犯されてくようで、頭がおかしくなりそうだった。
「なぁ…燐…なんで電話出てくれないんだよ…。俺はこんなに…君を思って…るのに」
「ぁ…は…むっ…っぇ…」
男の狂気じみた瞳に射ぬかれて 燐は震えながら口づけを受け入れることしか出来なかった。




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