※鹿島を笑わせたい諏訪の話。逆襲のスワアの内容がちょびと入っていたり。
諏訪はふと疑問に思った。
「鹿島が大笑いしてんの見たことねーなぁ」
大抵は奴は無表情。笑うとしても微笑、人を小馬鹿にしたような笑みしかしない…てコレは俺限定か。
あとはドSな笑み…てコレも俺限定か。
何はともあれ大笑いする鹿島…見てみたい。
なんだか大笑いする鹿島を拝みたくなってきたので、諏訪は彼を探すことにした。
――……
探しだして間もなく鹿島は見つかった。
なにやらしゃがんでまた猫とにらめっこしている。
おい、鹿島。猫にフーフー威嚇されてんぞ。
「おーい、鹿島」
「…。」
あ、無視された。
「かーしーまー」
「…」
「かっしー」
「…俺はかっしーじゃないぞ」
「なんだ、聞こえてんじゃん」
諏訪は鹿島の隣にしゃがむと、猫を撫でた。猫は甘えるような声を出しながら擦りよってくる。鹿島はそれを見るとムッとした顔になったが直ぐにいつもの無表情に近い表情に戻る。
「…なんの用だ?」
「いやぁ…なんつーか」
「また呪いの札とか貼る気か」
僅かに鹿島が身構えたので、諏訪はかぶりを振って溜め息をついた。
「ちげーよ」
魚(ウオ)ミカズチなんて誰がまた見たいと思うか。
「違うのか」
なんだよその意外そうな顔は。
コイツ俺のことなんだと思ってんだ。
「違う違う。
鹿島、ちょっと立て。」
「?」
首を傾げながら素直に鹿島は立つ。
下では猫が不思議そうな顔で見上げている。
「…で、少し腕を上に上げてくれ」
「こうか??」
鹿島は少し腕を上げ、これに何の意味があるんだという表情をしている。
「そうそう。…そのままじっとしてろよ〜」
諏訪は鹿島の後ろに移動すると、両手をワキワキさせ、悪戯っ子のような笑いを浮かべ、鹿島の腋のちょっと下あたりをこしょくった。
その瞬間、鹿島の眉がぴくりと動いた。
「!?な…っ、ぁはははは!!!…っ、おい!諏訪っ…」
「おお!!鹿島が笑った!!」
こんなに大笑いする鹿島を見たのは初めてだ。
まさか効くとは思わなかったため、まるで、ク
ラが立った!!の如く喜ぶ諏訪。調子にのって更にこしょくろうとしたが、その手はがしり。と掴まれ阻止される。
「…あ」
「…諏ぅ訪くぅうううん?」
ゴゴゴゴ…と効果音が付きそうな声とともに鹿島が振り向く。
絶対零度の笑みに、諏訪は命の危険を感じた。
「や…これは…」
「ほぉお?そんなに殺られたいか」
青筋が浮き出てる鹿島に冷や汗がでた。
この目は以前見たことがある。本気だ。
しかし手を拘束され、動けない。
「――!!
すみませんでしたぁあっ―…ぎゃあああ!」
「はぁ、平和だね…」
「そうですね…」
そしてそれを微笑ましく遠くで見守る鳥船と経津主がいたとかいなかったのか。
余談だが、この後諏訪は社に一年程引きこもったらしい。
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なんだかんだで仲がいい二人が大好きです^^
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