ねぇ、あなた。


あなたと離別して 幾千年と経ちましたね。

あなたは、覚えているのでしょうか。
私との日々を。
愛を確かめ合ったことを。


私は黄泉の王になってから、毎日この深い深い闇に居るけれど。

けれど、どんなに光が射さないこの場所でも、あなたとの事を忘れた事などありません。


ここへ来て、私は全てが変わりました。

髪は白銀に。
服は喪服のような着物に。
赤みを帯びた瞳に。
黄泉の物として、相手の穢れた本性にばかり目がいくようになりました。


もう、私はあなたの愛した"女"では無くなってしまったのでしょうね。


私は あなたに姿を見られたとき、悲しかった。憎かった。殺したかった。


こんな姿を見られたくはなかったのです、あなたにだけは。

お慕いするあなたにだけは、見られたくはなかった。



今でも、あなたが憎い。
許せない。

だけれど、それは同時に、あなたをそこまでお慕いしているからなのでしょう。


どんなにどんなに憎くとも、あなたは私の愛した、たった一人の夫なのですよ。



ねぇ、あなた。


イザナギ様。




この深い闇から、声は届くでしょうか。

いいえ…届かないのでしょう。






それならば、あなたを

ここで想い続けましょう。









(…お慕いしております、イザナギ様)










……―――――――









なぁ、イザナミ。


お前と離別してから、もう何千年と経ったな。



本当に私は、お前が居ないと何もできないよ。


一人では国も造れず、子供の一人さえ満足にしつけられない。



きっと私は、お前を酷く傷つけたのだろうな。
私は愚かだから、お前が居なくなってから漸く、お前の気持ちが分かったよ。イザナミ。

離別した時のお前の別れの言葉が、今でも忘れられない。


お前は、死んでから変わってしまった。
容姿も、住む世界も、纏う雰囲気も。


だからお前は、私に姿を見られたくはなかったのだろうな。


きっと とても辛かったろう。



ごめんな。


ごめんな、イザナミ。



けれど お前が何処に居ようとも、何になろうとも、どんなに姿が違(たが)っても…お前は私の愛した妻に変わりはない。


逢うことは叶わずとも、想いだけは確かだよ。


なぁ。
イザナミ…。


私は今までお前に一度も言ったことがない言葉があったな。



もう遅いかも知れないけれど、もしもこの想いが届くのなら…受け取ってもらえるのだろうか。







(…愛しているよ、イザナミ)

















************



この夫婦可愛いよなぁ…と、ポチポチ即席で書いたもの(’ω’)
なにやら独白のようなものになってしまいました/(^^)\


憎いけど、あなたを愛してる故、みたいなシチュエーションたまらなく好きです。

取り敢えずシリアスチックですが、二人が学園で幸せそうだったので…大丈夫かな!(何がだ)



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