「菩薩の心」
『菩薩の心』
――ﾊﾟｷｯ
鬼「―――――ッ」
ク「ん？何の音だ？」
JA「何か聞こえたか？」
ク「気のせいか？…鬼柳、お前聞こえなかったか？」
鬼「ぜ、全然！なんも聞こえなかった！」
ク「…そうか？」
JA「それよりも、お前のターンだぞ」
ク「あー、へいへい。じゃあシロッコ召喚っとー」
鬼「（やっべー！なんか踏んだ！踏み応えのある何かを踏んだ！見たくねぇ…っ！）」
JA「ここでトラップ発動だ。強化蘇生」
ク「お前本当そのカード毎回引くよなー」
鬼「（気づかれない様に見よう、気付かれない様に…）」
――ﾊﾟｷﾝｯ
鬼「（うわああああUSBだああああ個人特定余裕すぎたああああ）」
JA「む、ここでそのカードを出すか」
ク「たまには別の手でも考えて試さないとな」
鬼「（やべぇ…すっげぇやべぇ…完全にやべぇ…）」
JA「なら、俺はこの手で行こう」
ク「あ、くそ！そっちできたか…」
鬼「……ジャック、クロウ。……遊星はどこ行った？」
JA「遊星ならマーサハウスだ」
ク「そろそろ帰って来るだろうけど」
鬼「ああああああ！！！（ｶﾞﾝｶﾞﾝｯ」
ク「なんだこいつ！！急に壁に頭ぶつけ始めやがった！」
JA「また何を始めたんだ鬼柳！！」
鬼「ごめん、俺…死んだ」
JA「そんな出血多量な頭で言われても納得しかできんがな…」
鬼「いや、今回は本格的にヤバい気がする…」
ク「何なんだよ、一体どうしたってんだよ」
鬼「……実はさ……」
ク「さようなら鬼柳」
鬼「ですよねええええ！！もう終わりですよねえええ！！」
JA「だが待て、何でそんなUSBが地面に落ちてるんだ」
鬼「ハッ！そういやそうだな！なんでだ！？」
ク「質問、このテーブル動かした奴誰だ？」
JA「俺だ」
ク「犠牲者が増えたわけだが」
鬼「半分お前のせいじゃねぇか！！責任取れ！！」
JA「まだ俺が落としたと決まったわけじゃないだろう！！」
鬼「いや確実にお前だろ！！」
JA「なんだと！？というか、このUSBをテーブルに置いた馬鹿は誰だ！遊星はここには置かないだろう！」
ク「俺だ」
鬼「全員犯人じゃねーか！！ばーかばーか！！」
ク「馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞてめぇ！！」
JA「争ってる場合か！！遊星が帰って来るぞ！！」
遊「俺がどうかしたのか？」
鬼「遊星いつからいた？！」
遊「今だ」
ク「ななななんだそっかああああ！おかえり！！」
遊「あぁ、ただいま」
JA「ま、まあとにかく座れ！さあ！」
遊「あ、あぁ…（ｽﾄﾝ」
鬼「……なぁ、最近良い事とかあった？」
遊「良い事…？急に何を…」
鬼「まあまあ、いいから……あった？」
遊「そうだな…新しい部品を手に入れたことだろうか」
鬼「（ｷﾞｸｯ」
ク「新しい部品ってその…挿す的な？」
遊「そうだな」
ク「（ｷﾞｸｯ」
JA「しかも…一般的なものよりも少々小さ目の…？」
遊「まあ、そうだな」
JA「（ｷﾞｸｯ」
遊「苦労したんだ、手に入れるのに…必死に探し回ってな」
鬼クJA「「！！！」」
遊「どうしたんだ三人共、顔色が悪いぞ」
鬼「遊星、ちょっとタイム！ハーフタイム！」
遊「……？」
鬼「おいどうする。地獄一直線だぞ。デッドオアデッドだぞ」
ク「マズったなこういうパターンは初めてだから、遊星の出方が分からねぇっ」
JA「まさか俺達三人が犯人とはな…三人仲良くお陀仏か」
鬼「ここはさ、上手く誤魔化せねぇかなっ」
ク「バカ、誤魔化してもバレた時が倍怖いぞ」
JA「ここはやはり……」
ク「謝るしか…ねーよな…」
鬼「……腹…くくるか……」
鬼「えー、遊星さん。お話があります」
遊「遊星“さん”？」
ク「静かに聞いていてください」
JA「俺達は逃げも隠れもしない」
遊「なんだ、どうしたんだ」
鬼クJA「「すいませんでしたあああああ！！！」」
遊「何がだ！？」
鬼「この…っこのUSBを踏み潰してごめんなさいいい！！」
JA「そのUSBを落としてすまなかったあああ！！」
ク「そのUSBを勝手にテーブルに置いて悪かったあああ！！」
遊「………粉々…」
鬼「ご、ごめんなさいいい俺のせいですううう！！」
遊「……、鬼柳あまり謝るな、こっちが負い目を感じてしまう」
鬼「で、でもさぁっ」
遊「ジャックもクロウも、そこまで謝らなくていいじゃないか」
JA「遊星……っ」
ク「でもよぉ、遊星…そのUSBはもう…」
遊「素直に謝ってくれたのなら、それでいい。十分だ。また探せばいいだろう、な？」
鬼「ゆ……ゆうせえええええ！！！（ｶﾞﾊﾞｯ」
ク「本当に悪かったあああああ！！（ｷﾞｭｯ」
JA「今後は気を付けるうううう！！（ｶﾞｼｯ」
遊「全く、そうだな……ジャンク集めの手伝いをしてくれたら許そうじゃないか」
鬼「勿論やらせていただきます！」
ク「まっかせろ！なんでもするぞ！」
JA「このジャック・アトラスにできないことはない！」
遊「あぁ、それじゃあ頼んだ（ﾆｺｯ」
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