「流行最先端」





『流行最先端』








遊「ただいま」


ブ「お帰りなさいー」


遊「少し買い物しすぎたようだ…思ったより時間掛かってしまったな」


ブ「いつもより遅かったから、ちょっと心配してたんだよ?」


遊「すまないな。そうだ、お土産買って来たぞ」


ブ「お土産?僕たちに?」


遊「ちょっと面白いものを見つけてな。…クロウはどうした?」


ブ「充電しながら寝ちゃった」


遊「そうか、今がチャンスだな」


ブ「……今度は何をするつもりなんだい?」















ク「………ぁ……なんだ、寝ちまったのか…」


ブ「……おはよう」


ク「はよ……。あー…俺どのくらい寝てた?」


ブ「そうだね……二時間くらいかな?」


ク「結構寝ちまったな…。遊星は帰って来たのか?」


ブ「うん、さっき買い物から帰って来たよ。ちょっと買い物しすぎちゃったって」


ク「珍しいな、あいつが買い物しすぎるって」


ブ「確かにそうだね」


ク「……ブルーノ、さっきから目が泳いでるぞ」


ブ「え?そうかな?別に普通なんだけど…まだ寝ぼけてるんじゃない?」


ク「そう……か?」





遊「クロウー!ちょっと手伝ってくれー!」





ク「お…、呼ばれたから行ってくるわ(スタスタ」


ブ「あ、うん、行ってらっしゃい。





  気付かないのか」













ク「なんだー?なんか用かー?」


遊「冷蔵庫に食品をしまうのを手伝ってくれ」


ク「……おう」


遊「じゃあ、そっちの袋の分頼むな」


ク「……また随分と買い込んだな」


遊「まあな、安かったから」


ク「……へぇ。セールかなんかだったのか?」


遊「あぁ、そんなものだ。お蔭で良いものが多く手に入った」


ク「……なぁ」


遊「なんだ」


ク「……何でお前…そんなに機嫌良さそうにニコニコしてんだ?」


遊「なんのことだ?」


ク「いや、現にニコニコしてんだよお前…なんだその目、その微笑み」


遊「別に普通だが?」


ク「鏡見て来いよ、気味がわりぃよ」


遊「失礼な。だが今日は許そうじゃないか」


ク「なんでだよ」













ク「………怪しい」


ブ「どうしたの?」


ク「遊星が可笑しい。いつも可笑しいけど今日は更に可笑しい」


ブ「うーん…そうかい?」


ク「なんであんなに機嫌良さそうなんだ?何か隠してんのか?」


ブ「うーん……」


ク「なんだよ、ブルーノは知ってるのか?」


ブ「ん?え、何が?」


ク「お前の態度も微妙に可笑しいんだよ」


ブ「え?そうかな?」


ク「何か隠してんだろ。言えよ」


ブ「僕は別に何も…」


ク「ブルーノ…明日って粗大ごみの日だよな」


ブ「全身鏡見てきなよ」












――バァンッ





ク「ゆうううせええええええ!!!」


遊「なんだ、騒がしいぞ」


ク「騒がしいぞ、じゃねぇよ!!説明してもらおうか!」


遊「何をだ」


ク「この尻尾だよ!!この猫尻尾だよ!!なんで俺に着いてんだよ!?」


遊「あぁ……携帯ストラップだが何か?」


ク「そういうこと聞いてんじゃねーんだよ!!」


遊「携帯にストラップを着ける行為の何が可笑しいんだ?」


ク「人型の俺に着けるのが可笑しいんだよ!!」


遊「似合ってるぞ(グッ」


ク「似合いたくねーよ!!取れ!今すぐ取れ!」


遊「ふふ、だがなクロウ?それはお前の身体にチューニングしたから、もうお前の身体の一部なんだぞ?」


ク「チューニングしてる時点でストラップじゃねぇよ!!」


遊「俺の技術力に感謝してほしいものだな。ほら、こうやってクロウの頬っぺた撫でるだけで…(ナデナデ」


ク「うぐっ(ブンブン」


遊「感情に反応して尻尾が揺れる…俺は天才か」


ク「余計なもんに力注いでんじゃねーよッ!!///」


遊「嬉しいんだろう?撫でられるのが嬉しいんだろう?どうなんだクロウ?ん?(ナデナデ」


ク「だ…だからっ…(ブンブン)頬を撫でるなって…ッ(ブンブン)あぁぁくそおお尻尾動くんじゃねぇえ!!」


遊「(最高に面白い)」


ク「だー!こんな尻尾引っこ抜いて…ッ」


遊「壊れても知らないぞ。根深くチューニングしたからな」


ク「お前いい加減俺の身体弄るの止めろッ!!それが原因で壊れるわ!!」


遊「それはどうかな、俺はこの程度の機械を壊すはずがない」


ク「……どうにかしてくれ、このナルシスト…」


遊「あまり文句言うと…この耳もチューニングするぞ」


ク「お前は俺をどういう携帯にしたいんだ?!」


遊「だから、ただのストラップと言っているだろう」


ク「ストラップってレベルじゃねーんだよ!」


遊「いいじゃないか、お洒落だぞ」


ク「………どこが」


遊「最近の流行は尻尾ストラップだからな。流行を早くも取り入れたな、クロウ」


ク「強制的に取り入れられてんだよこっちは…ッ」


遊「羨ましいな、クロウ」


ク「……そんなに羨ましいんなら、尻尾をお前にチューニングしてやろうか(イラッ」


遊「……いや、俺は人間だからチューニングは無理だろう」


ク「尻にブっ挿せばいい話だ。ほら、後ろ向け」


遊「いやいやいや、遠慮するよ。俺はまだ仕事が残ってるから」


ク「大丈夫大丈夫、一瞬で終わるから。ほら」


遊「大丈夫大丈夫、間に合ってるから本当に遠慮する」


ク「ほら(ガシッ」


遊「うわああああ!!ブルーノぉおお!!」


ク「叫んでも助けはこねーよ!!」













不「いいのかい?」


ブ「巻き込まれたくないんで」

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