「永久保証契約」

※クロ遊










『永久保証契約』








遊「なぁ…クロウ」


ク「ん?」


遊「俺…死ぬんだろうか…」


ク「アホか。軽度の脱水症状でぶっ倒れただけだろ」


遊「頭が…くらくらする…」


ク「水分を細目に摂らなかったお前が悪い」


遊「美人薄命とはこのことか…」


ク「その口が動くくらいにはお前は元気だ、くたばらない」


遊「……もう少し元気付けるようなことを言えないのかお前は」


ク「お前元気じゃねーか。物凄い元気じゃねーか。これ以上元気付けてどうすんだ」


遊「……ブルーノは?」


ク「買い物。お前が元気になるように、力の付く夕飯を作るんだってよ」


遊「ブルーノは本当にいい子だな…お前と比べて」


ク「悪かったな。どうせ俺はこんな性格だ」


遊「それがクロウらしいけどな…あぁ、怠い」


ク「だから大人しく寝てろっての」


遊「うーん…まだ仕事が残ってるんだ…のんびり寝てられないな(ガタ」


ク「あーもう!寝てろっての!(グイッ」


遊「うぐっ!(ボスンッ)よ…弱った人間を勢いよくベットに倒すな…」


ク「無茶してると、マジで死ぬぞ!」


遊「大丈夫だ、そう簡単に死なない!」


ク「バカか!死ぬに決まってんだろ!このバカ!」


遊「何度も何度もバカとばかり…他の言葉を知らないのか!」


ク「バカにバカって言って何が悪い!俺だって心配して言ってんだぞ!大人しく寝てろ!」


遊「うぐ……だが仕事が…!」


ク「それでもまだ寝ないってんなら、俺にも考えがあるぞ」


遊「………くそ、今日ばかりは大人しく寝てやる…」


ク「何なんだその上から目線は…お前本当元気だな」


遊「元気だから仕事を…」


ク「ダメだ」


遊「………ふて寝する」


ク「おう、しろ。どんどんしろ」















遊「ん……今何時…」


ク「夕方の5時」


遊「……寝落ちしたか…」


ク「ちょっと魘されてたみてぇだけど、変な夢でも見たのか?」


遊「……そうだな、死ぬ夢を見た」


ク「寝る前に死ぬとか言うからだろ」


遊「それはそうだが……死んだら寂しいだけだな」


ク「……今更何言ってんだ」


遊「突然暗くなったと思ったら、暗闇の中一人ぼっちだった…やはり、死ぬのは嫌だな」


ク「遊星…」


遊「なぁ、クロウ?お前は、俺が死んだらどうする?」


ク「はぁ?また縁起でもねーことを…」


遊「少しは泣いてくれるか?」


ク「携帯が泣くわけねーだろ」


遊「ハハ…それもそうか…冷たいな、携帯は」


ク「泣くことはできねーけど…まあ、一緒に墓場までは行ってやるよ」


遊「墓場?」


ク「だって、お前寂しがり屋だからな。一人で墓石の下なんていられないだろ?」


遊「……そうかもな」


ク「だから、少しでも寂しくねーように一緒に墓石の下で寝てやるよ」


遊「だが、クロウは死ねないぞ?機械だからな」


ク「充電が切れりゃ、死んだのと一緒だ。お揃いだな?」


遊「……そういうお揃いは勘弁してほしいな。まだ生きてるお揃いの方が何倍も嬉しいさ」


ク「それが嫌なら、簡単に死ぬとか言うな。無茶とかすんな」


遊「クロウの優しさが心に痛いよ(クスッ」


ク「笑う余裕があったら寝ろっての」


遊「はいはい。……クロウ、喉乾いた」


ク「たく、しょうがねぇなぁ…」


遊「今のうちに甘えさせてもらうぞ」


ク「扱き使うの間違いだろ」


遊「あーあ……なんでクロウは、人間じゃなかったんだろうな」


ク「俺だって、できるもんならお前と一緒に死んでやりたいさ」


遊「誰よりも人間らしいのにな…この世は複雑だな」


ク「てか、お前は人間な俺に何を期待してるんだ?」


遊「そうだな…言うとするなら…、お前と普通に生きたかった…かな」


ク「普通が一番難しいんだよ。それに、俺だって……」


遊「俺だって?」


ク「……なんでもねーよ!」


遊「なんだ、気になるじゃないか」


ク「そーだなー…お前が元気になったら言ってやってもいいかな」


遊「なんだそれ…なら早く元気にならなきゃな」


ク「だからそろそろ口閉じろ。喋り過ぎなんだよ」


遊「……だが…っンぅっ」


ク「……、口開いたら塞ぐぞ」


遊「……っ、携帯の癖に///」


ク「よく言われる、お前に」

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