「弄られバイト」







『弄られバイト』








店「クロウ、次はこれを運んでくれ!」


ク「あいよー!」


 「クロウ!こっちの酒がなくなったぞー!」


ク「はいはい、ちょっと待ってろって!!」


 「クロウ、つまみが遅いぞー!」


ク「それは俺じゃなくて店長に言え!」


店「クロウー、ビール持ってってくれー」


ク「はいはい!あーもう、忙しいなぁ!!」


 「もっと忙しくしてやろうか?おしぼり持って来てくれ」


ク「自分で取りに行け!!」


 「おい、こっちはお客だぞー?お客。ちゃんとサービス精神をだな…」


ク「おしぼりだあああ!(シュッ」






――バコーンッ






 「あっつうううううう!!!」


ク「はい、おしぼり一丁!」


店「お客は神様精神忘れるな、クロウ」


ク「へいへい、お客は神様神様」


 「クロウ、こっちにもおしぼりー」


ク「おしぼり二丁!!(シュッ」


 「投げるな投げるな!!」


店「すまないね、うちの従業員が…」


ク「俺はバイトだっての!」










――ガラガラッ







店「いらっしゃーい!何名様?」


不「二名だよ」


ク「はい、いらっしゃーい!おしぼりは…」


遊「……クロウ?」


ク「………うあ゛ぁあああああ!!!」


店「うああああなんだびっくりするじゃないか!」


 「どうしたどうしたー?クロウが何かやらかしたかー?」


不「おや、クロウ君。ここが君のバイト先だったのかい?」


店「おや、うちの従業員と知り合いで?」


不「うちの娘の彼氏さんだからね」






――ガターンッ





 「なんだと!?」


 「クロウ!お前彼女持ちだったのか?!」


 「なんで俺達に言わなかったんだ!くそっ、先こされた!」


 「どれだどれだ!クロウの彼女ってのは!」


店「おいおい、お客さんたち落ち着きなって」


不「ゆうちゃん、挨拶したら?」


遊「……その、クロウとお付き合いさせていただいてる…遊星です」


 「美人だ!!」


 「美少女だ!!」


 「クロウには勿体ないぞ!」


ク「てめぇら黙れ!!好き勝手言うな!!」


 「なんで俺達に黙ってた!」


ク「てめぇらに教えたら遊星が穢れるだろうが!」


 「お前それが客に対する言葉か!!」


店「まあ、まあ、落ち着いて」


不「とりあえず…カウンターでいいかな?」


店「こちらのカウンターにどうぞ」











 「好きな食べ物何?」


遊「え、えと…特には…」


 「好きな色は?」


遊「あ…赤とか…青とか…なんでも…」


 「クロウとはいつから付き合ってるの?」


遊「え?そう…ですね…、ざっと半年くらいでしょうか…」


 「クロウのどこがいいの?」


遊「や、優しいところとか…その…っ///」


ク「ええぇええい!!近づくな中年共!!退け!退くがいい!」


 「こらクロウ!俺達に黙ってこんな可愛い子と付き合ってたなんて!」


 「水臭ぇじゃねぇか!なんで黙ってた!」


ク「こんな風に酔っ払いに絡まれるからに決まってるだろーが!!」


遊「ま、まあまあ…落ち着けクロウ」


 「遊星なんていうこんな可愛い子…クロウには勿体ない!」


ク「んだとこら!……でも俺もそう思う」


遊「く、クロウ…!」


 「で、遊星ちゃんはどうなんだい?クロウの事は?」


遊「う……っ、す……好きです…///」


 「可愛い…可愛いな」


 「ますますクロウには勿体ない…」


ク「おい、てめぇら料理の単価値上げするぞ」


遊「クロウ…そんな酷なこと…」


不「クロウ君は遊星の未来の旦那さんだからねー」


 「おいおい、親公認なのかよー」


 「なーんだ、つまらんな。クロウのことだから、その乱暴な口調でフラれると思ったのにな」


 「フラれるに千円」


 「俺二千円」


ク「この親父共……」


遊「クロウをフったりしませんよ。素敵な人ですから」






――ざわっ





 「いいねー、見せつけてくれるな」


 「クロウ…何でこんないい子がお前なんかに…」


ク「……店長ー!客全員に一番高い酒追加ー!」


 「待てクロウぉおおお!!」


 「この鬼息子ー!!!」







不「クロウ君は賑やかな場所でバイトしてるね」


遊「クロウが楽しそうで何よりです」



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