「萌え系」





『携帯クロウ 21』










遊「最近、萌え系携帯というのが流行っているらしい」


ブ「萌え系携帯?それってどういうの?」


遊「どうやら、可愛らしい女の子が可愛らしい声で『おかえりなさいご主人様!』とか『べ、別にあんたのために夕飯作ったわけじゃないんだからねっ!』などという萌えを提供してくれるらしい」


ク「お前の裏声で着ボイスでねーかな」


遊「出るわけないだろう。萌え系とは不思議だな…萌えというだけで持ち主を癒せるらしい」


ブ「へぇ、KCはそこまでやっちゃったんだね。なんだろうこの失望感」


遊「そこで、クロウを萌え系に設定しようかと思ってだな…」


ク「はッ!?や、やめろ!またそこで俺が犠牲になるのかよ!!」


ブ「マスター、もうクロウは所謂『ツンデレ萌え属性』って奴じゃないかな?」


遊「そうなのか?」


ク「そんなことがあってたまるか!!」


遊「じゃあ、試しに…語尾を『☆』にしてみるか?」


ブ「なにそのチャレンジ精神…」












遊「よし、できたぞ」


ブ「試しに何か喋ってみてよ!」


ク「お前ら後で覚えてろよ☆」


遊「わぁ、怖いな」


ブ「癒しじゃなくて悪寒がするね」


ク「なんで俺だけなんだよ☆」


遊「すまない、止めてくれ。怖い」


ク「お前がやったんだろうがよ☆」


ブ「マスター、今度は語尾を『にゃん』にしてみたら?」


遊「成程、名案だな!」


ク「どこがだよ☆」













遊「さあ、再設定し直したぞ」


ブ「どうかな?クロウ?」


ク「もうお前らがなにをしたいのか分からないにゃん」


遊「これはこれで……アリじゃないか?」


ク「どこがアリなんだにゃん」


ブ「不機嫌そうな声で『にゃん』って…アリなの?」


ク「何が楽しくてこんなこと言わなきゃいけないにゃん」


遊「夢に出そうだ」


ブ「大丈夫?マスター?」


遊「そうだな…まずクロウにしたのが間違いだったな」


ク「早めにそれに気付けにゃん!!」


ブ「それで、クロウをどうするの?」


遊「面白いから、一週間このままにするか」


ク「このやろおおおおおお!!!」










不「ただいまー」


ク「おかえりにゃん」


不「ただいまにゃん…にゃん?」


ク「気にしないでほしいにゃん…」


不「き、気になるにゃん…」


遊「(何で真似するんだ)」

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