生田灯花さんへ
轟竜(亜種×原種)
『なんだよ、おまえ。』 よくそんな恥ずかしい事言えるな、とそう言って彼はそっぽを向いた。 そいつの表情はわからなかったけれども耳が赤かった。
きみの不器用な優しさが苦手だ
凍土、ここにティガレックスの亜種と原種がいた。姿、形は似ているのに性質はまるで対をなす2体。亜種は体質の突然変異の為なのか火山で過ごしている。凍った地形など堪えられるわけないはず…なのだが、彼はここにいる。彼は冷たい足先をしきりに動かし、時折歯をガチガチさせる。
原種はそんな亜種をちらりと見て、呆れていた。
…苦手なくせになんで毎回来るんだよ…。
「震えてるぞ」
「あァ?」
「寒いのが嫌なのになんでここに毎回来るんだよ」
「……っ!」
亜種はいきなりの原種の言葉に驚いたようだった。 戸惑いながら亜種は何と言おうか悩んでいるみたいだった。
「…えーとだな…、」
「?なんだよ?」
自分よりも少し低い原種が亜種を見上げる。亜種はそんな原種を見れなくてフイ、と視線を反らした。 ぶっきらぼうな亜種の表情に焦りが見え隠れする。黄色の双眸が揺れた。
…言っていいものだろうか…。
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初めて原種を見た時の印象は最悪だった。食事中は自分と同じくらいがつがつしているかと思えば、ハンターだけでなく、他のモンスターを見つけた時はまるで眼中にないような、容赦なく力で全て捩伏せるようで…。他の原種のティガレックスと戯れるわけでもなく、澄ました顔していつも一匹狼を気取っている奴だった。しかし、雌にはモテるんだよな…。 自分は突然変異で周りと違い、他の奴らからいつも奇異な目で見られて仲間にも入れない。俺にはないものをあいつはなにもかも持っているのに…、そのせいもあってか、奴の印象は悪かった。
『おれに構う暇があったら、強くなって他の奴らを見返せばいいだろうが』
とあの青い眼に言われているようで、亜種はやけになって火山を暴れ回っていた。
誰にも負けたくねぇ…
そんな気持ちが強くなっていった。それと同時に俺を恐れて誰も俺には近付かなくなればいい、と願った。気付けば火山にひとりきりだった。
そんなある日だったか…、原種のティガレックスが火山にやってきて言ったんだ。熱いだろうに…、足元が赤くなって晴れていた。それでも奴は凜と亜種の前に立ち、
『お前って他の奴らよりも力あるんだな』
と。突然変異のせいか?とは言わず、『かっこいいじゃねーか』と。
『…なんだよお前、冷やかしにでも来たのかよ?』
亜種は素直に感謝の言葉も言えず、真逆な言葉を吐いた。でも本当はありのままの"自分"を見てくれた、という喜びの気持ちと共に目尻がなんだか熱くなってきたので見られたくない恥ずかしさで奴に背を向けた。
『…ちげーよ。』
たった一言でさえも安心させられた。
これは…、なんかしゃべったら多分俺は泣くな…
と分かっている為、無言で背を向けたまま原種の声を聞いていた。
『他の奴らなんかにも言うとでも?』
灼熱の赤く大地の上を軽々駆けてまわる黒い姿のお前がかっこいいだと、よくまあそんな恥ずかしい事が言えたもんだと感心した反面、目からは雫が落ちた。
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「…やっぱ言うのやめた」 「はあぁ?」
長々と、説明しても原種には伝わらないだろうし、なにより自分自身がだんだん気恥ずかしくなって話をはぐらかしてしまいそうなので単刀直入に。
「ここに来ればお前がいるから」
原種が俺を認めてくれる、それが1番嬉しい。
原種はぽかんとしたかと思うと勢いよく亜種に背を向けて早足になった。
「なんなんだよ、おまえ。」 よくそんな恥ずかしい事言えるな、とそう言って原種はそっぽを向いた。原種は全身の体温が急激に上昇するのが分かった。
そいつの表情はわからなかったけれども耳が赤かった。それを確認した亜種は、微かな満足感を味わった。 自然と早まる動悸を隠すように、わざと茶化す言葉を投げかけた。
fin.
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生田灯花さん 遅くなってすいません! 轟竜(亜種×原種)出来ましたアアァー! 生田灯火さんのみお持ち帰り Σなんだか初々しい2体に…!亜種くんは寂しがり屋(ひねくれ?)、原種くんはプライド高い天然みたいな。(? 純粋過ぎる甘いものになってしまったので作ってるこっちもなんだか照れてきちゃって…いやーハハ。よせやい
というより、こんなもんしかできない自分が切ないどころか文才ほしい。タイトルと内容が合ってるのかそこも疑問。こんなしょぼいもんに出来上がってしまいスイマセン!m(__)mここまで読んで下さってありがとうございます!
この度は相互ありがとうございます\(^O^)/ 不甲斐ない野郎ですが、これからもよろしくお願いします!
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