get/gift | ナノ


cocomさんへ



「…んだコレ?」

ティガはポーチを雪山で拾ったのであった。




秘密のポーチから





「な、なんだぁ…?」
小さなポーチからはいろんなものが次々と出てきた。

…まぁ、がらくたばかりなのだが…


ティガは礼儀とか失礼だとか、そんなもん知らねぇー。落とした奴が悪い!と、言う具合になんか使えそうな物はないかと漁った。








とりあえず、使えそうな物は…と手に取って地面に並べてみたが…
沢山のマタタビにキラキラした石っころ、虫、何かの骨、木屑、何かが詰まっている小さな樽いくつか、ぐらいだった。

まぁ、使えそうな物はないな…と確信した。




ティガはとりあえず、落とし主を探すか…と歩き出した。



…ってか、なんでオレがこんな事してんだよ…っ!

それもこれも全部、この雪山の連中の頭が緩過ぎるからだ…!



以前のオレなら何も考えずに絶対どこかに投げたよな、と若干苛立ちながらもしみじみ随分、自分は丸くなったもんだ…と感じ、軽く自嘲しながらふんっと鼻で笑った。






「…めんどくせっ」

欠伸を一つ漏らすとポーチを片手でぶんぶん回しながら雪山をふらふらした。





……さて、誰から尋ねようか……?






...............


一人目に同族である、忌ま忌ましい…が、哀しいが話し相手があまりいない為にレックスの元を訪れた。

「……お、おいっ!!」


「!?おわわわ!あ? なんだ?テメェー!」



……何その反応…



嫌でしょうがなく、オレから尋ねくる事ないんだぞ!レアなんだぞ!希少なんだぞ!!と内心毒づきながら赤面しながらも自分に喝入れて尋ねたっつーのに何だアレ!?おわわわ…ってなんだ?


「……何その反応…」


「…あ、ティガ、悪い今相手をしてる暇はない」



白けるオレに気にもせず、そう言ってレックスは猛スピードでどこかに走っていった。


「…なんだよアイツ!!」


吠えた。





...............

二人目に雪山に拠点を置くドスギアノスの組に尋ねることにした。
情報を得るには物と物の取引での交渉をしなくてはならない。少々めんどくさいが、交渉を誤らない限り奴らは常に公平に行ってくれる。


「…ドスギアノス少しいいか………あ?」


「お頭は今外出中ですよ」

小さい下っ端のギアノスが答えた。なんだってんだ…ったく。



知らず知らずのうちに額に青筋が浮かんだ。と同時に歯軋りをし、ポーチを掴む手に力が入りメシメシ鳴った。


「ひっ」

ギアノスが悲鳴を上げた。




...............

その後ポーチの持ち主を探す為あらゆるモンスター達に話しかけようとしたのだが、皆すたこら逃げるか避けるか…もはやいないか、いい加減腹が立ってきた。

ああ、もうこれは意図な犯行だ。虐めだ。絶対仕組まれていると感じた。

「待ちやがれー!!」と片っ端から追い掛けるが追い付けない。
くそ野郎…とかブツブツ言ってるとのろのろと雪山の頂きに向かうフルフルがいた。



…今度こそ!



「…フルフル!このポーチの持ちぬ「うわわわー!!」……」


フルフルがどしどし逃げ出した。
奴は飛ぶ事も忘れ、急いで走り出した。




ぶちっ




なんかキレる音がした。ポーチの紐が切れたワケではなく、オレの勘忍袋だ。
どいつもこいつもオレを避けやがって…もう許さねぇ!

目の色変えて頂きに向かっていったフルフルを追い掛けた。

「待ちやがれー!」

「ヒイィィィィー!」













..............

その頃、雪山では沢山のモンスター達が集まっていた。


「…フルフル遅いな」
「もう少しでくんだろ」
「早くしねーとアイツにバレちまう。」
「そうだぜ、計画がパーになっちまう」
「早くこねーかな」
「…っていうか、オイラ、ポーチどっかに落としたニャー」
「大丈夫だよ、代わりはいくらでもあるからさ?」
「よかったニャー」
「そうそう、おかげでいい時間稼ぎになった」

そんな会話が成されていた。




そんな時、

「わあああああー!」


「「「「「…!!!?」」」」」


「待ちやがれー!!」




頂きにちょうど来た…というより、逃げてきたフルフルと、それを追い掛けるティガがいた。


「「「「「アイツ来ちまったー!!」」」」」







...............

頂きまでフルフルを追い掛けてみたらオレを避けまくったモンスター達が揃いも揃って驚愕な表情をしていた。

畜生、テメェら全員グルだったってワケか…
全員でオレを嵌めていたなんて……!!



「テメェら、覚悟しやがれぇぇぇー!!」




これから起こったことは全て他モンスター達にはスローに見え、流れていった…。
まず、ポーチの事なんてすっかり忘れていたティガが、怒りのせいでおもいっきり持っていたポーチを仁王立ちしながら両手でビリリーッと引き契った。



「ニャ〜……!」



フルフルがこけた。

ポーチを引き裂かれた悲しみに嘆くアイルー。

ポーチから零れ出る素材達…

フルフルは驚きにとうとう耐え切れずにこけたまま発電。


「「「「「……あ、!」」」」」


零れ出たポーチの中の小さな樽達が発火し、ぴゅうーと音を立てて飛んだ。
打ち上げ爆弾だったようだ。
きちんと立てていないで不安定なまま発火しなものだから四方八方に爆弾が飛んでゆく。
他モンスター達はわーわー騒ぎ出す。

すると彼らがこっそり準備していた打ち上げ爆弾にも火が点き、空へと打ち上げられてドーンドーンと花火が鳴り響いた。



「……!?」



そこで全ての騒ぎはなんとか治まったのであった。



「…なんだコレ?」



空を彩る沢山の打ち上げ花火に呆然とするティガに、

「歓迎会じゃ」

「………へ?」

とドドブランゴの親分が落ち着いた声音で言った。


すると他の奴らも

「今日は雪山の天気がよかったからね」
「七夕っつー人間のやる行事も兼ねてだな」
「笹持ってきたぜ、あんたら」
「ナイース!ギアノスのお頭ナイース!!」
「…契約は守れよ」
「願い事書くんだろ?」
「……っていうか俺達字、誰も書けねぇーじゃん」
「食べ物も沢山あるニャー」
「食べるニャー」



と相変わらずたわいもない会話。



「…え?オレの為?
…っつーか、普通に言えばいいじゃんか」



「…普通に言ってお前が来ると思うか?」


レックスがニヤリと口角を吊り上げて笑った。


「………………いや 」


「だろ?」




ドッキリ計画成功?




「…だからおめぇらは緩いって言ってんだよ」

呟きは打ち上げ爆弾によって掻き消されて

「なんだって?」

「なんでもねぇ!!!!」

竜は微笑む

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cocom様へ
相互祝!!感謝してますwww

ティガメインで短編小説作りました。
ティガ?ティガでいいんですよね!?
間違ってないかと心配で…アガガガ
なんか文構成毎度ながらgdgd…oTL
\(^p^)/スマセン;
気に入って下さると嬉しいですwwwワハ









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