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外童子さんより






氷轟の遊び

※最初から擬人化してます※
真っ白な景色をつまらなそうに眺め、先程狩ったポポの生肉を食べるティガレックス。

「…凍土って退屈だよな。」

轟竜ティガレックスには珍しく小さな呟きに、耳にしたベリオロスはきょとんとなる。

「どうかしたん?」
「ん〜、旨いポポが居るのは良いんだけど退屈だなって。」
「そうか?ずっと住んどる俺にとっては楽しい所やで?」

ボコボコーラを淹れたコップをティガレックスに手渡し、共に外を見る。

「毎日見てても飽きん程綺麗やからな〜。」
「…まあそりゃあ綺麗だけど、ただ真っ白で静かで…。」

こくりと一口飲めば、しゅわっと炭酸が喉と胃に染み渡る。
冷たい結晶がとめどなく雪原に舞い落ちる静寂に満ちた光景をジッと見つめる。

「…雪山よりも…。」
「まあ、色んな場所を行き来しとるティガの兄ちゃんには物足りんかもな。」

神妙な様子のティガレックスを不思議に思いながらも、ベリオロスは苦笑して空から降る雪を掌で受け止める。
それを見たティガレックスも手を伸ばして雪を手に乗せた。

「……溶けた。」
「ティガの兄ちゃんは体温高いんやな〜。」
「…てめえのは、今溶けた。」
「俺は体温低いからの〜。」

じわりと溶けていくベリオロスの掌の雪を見つめる。

「…何かあったん?」
「……あ?」
「や〜やけに大人しゅうてらしくないと思うて…。」

地雷を踏まない様に恐る恐ると探りを入れるベリオロス。
ティガレックスは視線を上げて眉を寄せた。

「ったく、何辛気くさい面してんだよ!」
「えっ?そんな顔しとる?」
「腹立つ面だ。」
「(´・ω・`)」

ティガレックスの言葉が見えない刃となって、ベリオロスのガラスのハート(自称)を貫く。
ダメージに堪えているベリオロスに呆れ顔となり、再び白銀の世界を見るティガレックス。

「…今まで気にした事なんてこれっぽっちも無かったのによ、あん時は凄ぇ見入ったんだ。」
「?」
「此処で…ハンターと戦った時に雪原に散った、俺の血が。」

僅かに目を見開いてティガレックスの横顔を凝視する。

「別にそれが初めてじゃねえのにさ、何でかそん時だけ見入っちまったんだ。」
「……へえ。」

直感的に察したベリオロスは、ティガレックスから目をそらして雪景色を眺めた。
ティガレックスは溜め息を吐いて残っていたボコボコーラを飲み干し、空になったコップをベリオロスの頭に乗せた。

「…何すんねん。」
「置き場所にちょうど良い。」

ほんの一瞬だけティガレックスの金眼が悲哀に染まったのを、ベリオロスは見逃さなかった。

「…辛いんか?」
「別に。」

肩を竦めてベリオロスの寝床に我が物顔で横になるティガレックス。
それを気配と音で察し、雪を眺めながらベリオロスは言った。

「誘っとるんか〜?」
「阿呆か。」
「このタイミングで寝よったらそう思うわ。」
「てめえが俺をどうこうできる訳ねえよ。」

ティガレックスはにやりと不敵に笑い、視線を雪原に向けたままベリオロスは苦笑する。

「そやな。」

頭から落ちたコップをキャッチして、まるで双眼鏡の様に目に当てて底越しに雪を見る。

「………でもよ。」
「…何や?」
「……多分、拒絶はしねえ。」

コップをその辺に置いて口元を手で覆う。

「……あかん、そないな事言うたらほんまにしてまうで?」
「………じゃあ嘘だ。」

ごろりと寝返りを打つ。
暫く沈黙がその場を支配した。

「……凍土って退屈だよな。」
「…ほんまにそう思うか?」
「……いや、これはこれで楽しいのかもしんねえ。」

ベリオロスが振り向くのと、
ティガレックスが起き上がるのはほぼ同時だった。

「「嘘だ。」」

互いに含み笑いをし、そしてどちらともなく噴き出してけらけらと笑った。

「てめえで遊べば多少の暇潰しになるよな。」
「ティガの兄ちゃんが居れば静寂なんか無いわな。」

止む気配の無い雪に隠された場所で、冗談か嘘か真か…2人の戯れはまだまだ尽きない。

★END★


ぐはあああー!!相互記念品で外童子さんからこんなにも素敵過ぎる氷牙竜と轟竜の小説を頂いてしまいました!!!!ぐほおお鼻血噴きました。鵺の野郎は幸せ過ぎて悶えます。お腹いっぱいあああああ(ry
〜〜かかかかわいい…!氷牙竜と轟竜のやり取りずっとやって下さい^p^(←殴

尊敬します!外童子さまの書く小説の描写が素敵過ぎるあまり私も外童子さまのような小説が書けるようになりたいです^O^これからもこっそり通わせて下さい。いや寧ろSTKしますからね∩^ω^∩
んもうありがとうございます!!大切にします!これからもよろしくお願いします^O^









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