空に線を描く *
主♂N
ゼクロムにまたがって、空をかける。
雲の間を抜けて海を越えて、次の地方へボクは旅に出ることを決めた。
「君のそれは逃げじゃないから。帰ってくるなら待ってるよ」
ぶっきらぼうにボクの帽子をとって髪をぐしゃぐしゃと撫でた彼の、小さな優しさが嬉しかった。
好きだった。これを恋だと知ったのは、ゼクロムと一緒に城に戻ってから。
そして彼からの感情もまた恋と知ったのは、ついさっきと言いたいけど本当は最初から知っていた。
それでもボクは気持ちすら理解していなかったし、越えるべき壁だと存在だと認識していたから、その気持ちに何か言うことは無かった。
多分、自分の気持ちを理解してても答えなかっただろう。
彼の言う愛をこだまのように返しても、彼が喜ばない。彼は再三ボクの事を子供だと表現した。
それは事実でもあり、年上である僕に対する年下の彼のコンプレックスだったのかもしれない。
きっとコイゴコロを理解して、彼の気持ちも知っていたのならボクはきっと彼を思って彼の地を去ったんだろう。
大好きだと伝えたかったけど、それは言えずじまいだった。
空の青さが、どこか思いを伝えなかった僕を攻めているように見えた。
雲を引いて空をかける。
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とりあえず私は両片思い主♂Nが大好きのようです
そして何個主♂Nの別れ話書けば気がすむんだ