どこが好き? *
デンゲン
デンジ君のどこが好きかって聞かれても言葉に詰まる。
言わなくてもお互い思い合ってるのは間違いなかったし、そこまで深く考えたことなんてなかった。
「デンジ君は私のどこが好きなんだい?」
ガチャン!!
デンジ君が目を丸くさせて私をみる。私からこういう話題を降らなかったのは事実だけど、マグカップをテーブルに叩きつけるまで驚くことだろうか。
「どうしたんだよいきなり」
「‥‥‥うん、デンジ君のどこが好きって聞かれたときに即答できなかったんだ。
デンジ君の全部が好きだしそんなに考えたこともなかったし、だからデンジ君はどうなのかなって」
デンジ君はほっと息をつく、別れ話でも切り出されるかと思ってたみたいだ。
デンジ君はしばらく考えてから立ち上がって、一歩一歩こっちに歩いてくる。
そして目の前に来たらしゃがんで、座っている私より視線が低くなる。
「そういう物事真面目に考えるところとか」
デンジ君は私の手を取る。そして手の甲に柔らかい感触。
キスされたことに驚いて手を引っ込めようにも案外強く握られてて引っ込めない。
「凄い告白したのに自分でなに言ったか分かってないかわいいとことか」
また立ち上がったデンジ君が今度は瞼や頬、額にチュッと短い音を立てながらキスを繰り返す。
思わず目をつむりかけた私にデンジ君は囁く。
「俺も全部好きだよ」
それは反則だよ‥‥‥
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ゲンさんマジ天使といいたかった