孵化した日
ダイヤとゴールド
「外は涼しいね」
「夜だからじゃねえの?」
涼しいからいいんだよ。とダイヤ姉は笑う。
その笑顔は昔から変わらずに輝いてると思う、もちろん身内の贔屓目なしで。
「ゴールドは今日はどうしてOKくれたの?」
「気が向いたから」
俺は極端にダイヤ姉を拒絶してる。それは別に嫌いとか苦手だからじゃなく、ただ単に劣等感に襲われるから。
ジョウトチャンピオンになってもダイヤ姉は遙か先を行っていて。
“「おれ、おおきくなったらダイヤおねえちゃんをまもるつよいトレーナーになる!」”
なんて豪語してたしダイヤ姉もあの頃はコトネみたいに天真爛漫で、おっちょこちょいだった。
「嬉しいな、久しぶりでしょ?こうしているの」
ダイヤ姉が旅にでたと聞いたのは、ダイヤ姉がジョウトに来なくなって数年後だった。
あの頃から反抗期というか負けん気が強くなってきた俺は、絶対に追いつくってきめてた。
それなのに、旅にでてロケット団の残党を倒した後に再開したダイヤ姉は変わってた。
前みたいに走り回って転ばなくなった。人の話をよく聞いて自分の意見を言うようになった。全体的に、大人になってた。
だからか急に自分が小さく見えて、それから拒絶し始めた。
それがダメだと逃げだと理解して向き合うように努力してきた。
けどこうしているとまた劣等感に襲われる。
「ダイヤ姉、俺成長したかな」
「‥‥‥そういう風に思えることは成長した証だよ」
そっかこれが成長なんだ。ダイヤ姉がいうなら俺は少しは成長したのかもしれない。
孵化した日
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話がずれた
ゴールドがダイヤをジョウトに来させないわけ