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かげろうの心 *



主♂とN
ブラックがNを嫌いだという話
!)Nの扱いがきつめ



「やあ元気そうだね」
「‥‥‥‥」

突然の来訪にあからさまに顔を歪める。しかも客がよりによってブラックが最も嫌悪するNなのだから、眉は一層つり上がり、目つきも鋭くなる。
睨まれている当のNは視線に気づかないとでも言うように、そそくさとリビングに移動しソファーでくつろぎだした。

「帰れよ」

その、妙に慣れた動作にブラックは腕を組みながら嫌悪の表情で言葉を投げる。


「今日はブラックの家に泊まらせてもらうって言ったじゃないか」

「聞いてない」


言ったよ。と目を細めるN。ブラックは、なんとなくだが自分があれの話を無視したせいでこうなってるのかと結論に行き着き、話をきかなかった過去の自分を恨んだ。

といっても未来を知っていても自分はNの話は聞かないだろうが。


理由は分からないが、ブラックはNを嫌っている。

目の敵というべきかその扱いはホワイトよりひどい。
ブラックは何も言わないし、Nも気にしていない様子はない。その能天気さもブラックが嫌っている一つの要因なのかもしれない、とホワイトら幼なじみは結論付けている。

「ねぇボクはどこで寝ればいい?やっぱり君の部屋?」
「そこまっすぐいってドアを開けたら自然のベッドがあるからそこで寝てなよ」

ブラックは玄関を指差し、出て行けと拒絶の意志を見せる。しかしそれすら華麗に無視したNはニコニコとブラックに笑いかける。

わずか数秒。Nと視線が交わったブラックは、バツの悪そうに顔をしかめる。


「母さんがうるさいだろうし、母さんに聞けば」

母さんは僕が自室で他人と過ごすことが苦手だと知っている。Nに対して甘いとしても流石に放り込んではこないだろう。



そもそも周りはこれに甘すぎる。

表面上プラズマ団のリーダーとして君臨してたNが昔から甘やかされてきてたのは明白だ。外とのつながりもなくポケモンだけと一緒だった。
だがそれがどうした。そのくらいの境遇、どこでもある。僕達が目をそらしてるだけで今も人もポケモンも死んでいき、利用されてる。

Nはそれが露見した一部の幸せな人間だ。周りからかわいそうになんて同情もらって生きていく・・・・そんな一握りの幸せな奴だ。


だからこそ、僕はこいつが嫌いだ。その状況を理解しておきながらそこに甘んじてるNが。


「強かで卑しい奴は嫌いだ。部屋に入れる気もないよ」
「ボクはそういうことをいってくれるブラックが大好きだよ」


ぬかさないでよ気持ち悪いな。ブラックはうんざりしたように二階の階段を駆け上った。



*****
落ちが迷子というか長くなってきてまとまらなくなった


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