届け響け君だけの歌 *
N→ブラックとダイヤ→ファイア
ポケモンセンターの電話でファイアは母親と話をしていた、先に電話を終えたダイヤは頬杖をついてファイアが話し終えるのを待つ。
改めて見るとファイアが世のイケメンに属していることに気づく。先ほどからセンター内の女性の視線を独占しているのだから間違いない、そう思っているダイヤにも視線は集まっているが彼女は気にも止めず考え続ける。
彼と会ったのは何時だったか、たしかレッドを通じての邂逅だったきがする。出会いを思い出しているとポンと肩に手をおかれた。
「やぁダイヤ、旅はどう?」
「久しぶりN、旅は順調だよ。あなたは?」
振り返った先にいたのは最近仲のいいNだった。彼もイッシュを旅していたのは知っていたが会ったのは初めてで話に花が咲く。
「ブラックが今日はオフだ、シングルトレイン行ってくるって聞かなくて」
「サブウェイにいるの?いいな、私も後で行こうかな」
まだ電話を続けるファイアを盗み見る。いきいきとした表情をしていて電話はまだ続きそうである。
ダイヤの視線の先を辿りファイアをみたNは肩をすくめておどけるように自嘲を含んだ声を上げる。
「お互い大変だね」
「一緒に旅をしてたら恋愛感覚ってなくなるのかな‥‥」
「どうだろう?大切の意味を履き違えてるだけかもしれないよ」
それならそれで構わないのだが、とダイヤは下を向く、この感情をつくってしまったことがなにより辛いのだ。
「私が駄目でもNは結ばれてね」
「確率的にはダイヤの方が高いのに、あきらめちゃ駄目だよ」
ふふっと楽しそうな声が漏れる、お互い大変な恋をしているからこそ今がある。
「今度会ったらダブルバトルしようね」
「わかった、約束ね」
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タイトル詐欺とはこの事か