君は変わっても変わらないで
ナユキとムツキ
「空ってどこまでも続いてるんだよね」
いきなりなにを言い出すんだろうこの子はとムツキは食べていたジャンクフードを持ったまま固まる。
「だってこの先に外国の人だっているんだよいいよねそういうの」
「分からなくはないけど見ているのは違う空じゃないかなー」
ナユキはムツキの答えに口をとがらせながら夢がないと文句を言う。
(夢ね、そんなもの持ってる方が可笑しいから)
ムツキは喉まででかかった言葉を飲み込んで眉を下げながらそうかなと相づちを打つ。
ナユキのような純粋に世界を楽しむことはもうできない。あの日崩れた幻想と現実を眺めて生きてくだけだ。
ムツキの本心を知らずにナユキは話を進める。
「いつか違う場所にいっても空をみて同じだって思うかもしれないじゃないか、それって心温まらない?」
「確かに、かもねー」
ナユキの言葉に同意したムツキは自分がシンオウを旅していた頃空を見てジョウトを思い出していたことを思い出す。
あの空と今の空は変わらない。
(まるで自分を見てるみたいだ)
変わらない空をみてムツキは目を細める。ナユキもムツキの様子を見て空に目をやる。
「ナユキ」
なにムツキと言ってくる彼にムツキは願いを込めて囁いた。
君は変わっても変わらないで
純粋という君をなくさないで
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ムツキは破れた世界でギラティナと一緒にいたからかどこか懐疑的です
だから素直に人を信じ素直に自分の道を行くナユキが眩しいのです