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デンジ×ゲン



「なぁどう思うよ」
「そうですねぇ」

うーむ、と頭を悩ませる人物たちにあきらめ半分に突っ込む

「つかなんでこうなってんだよ」

クロガネジムの仮眠室にデンジ、オーバ、ヒョウタが丸くなっている
突っ込んだオーバをデンジはギロっと睨む


「ああ?てめぇが"相談なら乗るぜ!"って言ったんだろうが」
「いやそうだけどよ、まさか恋愛相談だとは思わねえよ
しかも相手がゲンさん‥‥」


幼なじみのデンジに春がきたと思った矢先に相手はゲンさん
つまり男だと言われたのだ

これでげっそりしない奴はそこでニコニコしてるヒョウタくらいだろう

「そう思うなら帰りやがれ、いつも通りヒョウタに頼むからよ」


なぁ、とお互い顔を見合わせ頷きあう二人


「なら俺は帰るぜ‥‥」

オーバはもうデンジの相談に乗らないと心に決めながら仮眠室を出て行った



「さて、ゲンさんについてなんですが
あの人はかなりストレートな表現じゃないと分かってくれませんよ
気になってたとしても周りから言わないと気付かないような鈍感ですから」


その一言にデンジは頭を抱える

実際、デンジはゲンと何回か食事をしたりはしている
二人きりでないときのほうが多いのだが‥‥

「それにあの人無意識で人振り回しますからね
言動から行動から様々なところで」


ヒョウタの苦笑混じりの声にデンジはまた頭を抱えた

こちらも何回も経験済みなのだから
無意識とはいえ花のある笑顔を向けられたり
いきなり腕を引かれたりとこちらの心臓が爆発しそうな行動をするのだ


「どうすればいいんだろうな‥‥」
「アピールもそうとらない限り無意味ですしね‥‥」


「「なんだあの鈍感は/なんですかあの鈍感は」」



「鈍感って誰のことだい?」


ひょっこりとでてきた顔は


「ゲ、ゲ、ゲ、ゲンさん!?な、なんでここに?」
「近くを通ったから寄ろうと思ってね
それより大丈夫かいヒョウタ君にデンジ君。そんなに飛び跳ねて?」


全く気付かなかった二人は大分取り乱しあたふたしている

「い、いや何でもないんですよ!ジムリーダー同士の愚痴り合いっていうか・・・ねえデンジさん」
「お、おうっ!」


だらだらと冷や汗をかきながら二人は苦し紛れに笑い合う
その姿はさながら浮気現場を見られた恋人同士のようだった・・・

しかしゲンは気にする様子もなく
ポンと手をたたき

「そうだ。さっき炭鉱の人がヒョウタ君を探してたよ」

「・・・えっ?な、何かあったのかな!?僕ちょっと行ってくるんで
ゲンさんもデンジさんもゆっくりしていってくださいね!」

ヒョウタはガチャンっと派手な音を出して部屋を飛び出していった
残された二人は

(ヒョウタ!なんかよく分かんねえがナイス!)
(うーん、顔を出したらすぐ行こうと思ってたけどどうしよう・・?)

片や二人っきりのこの状況を喜び、もう一人は出ていくか出ていかないかを思案していた


「そうだ、なんか飲むか?コーヒーと紅茶と緑茶があるけど」

デンジは立ち上がりポットにお湯が入っていることを確認する
ゲンは結局居続ける選択をとり

「じゃあコーヒーで」


デンジは短く返事をするとインスタントコーヒーを棚の奥から取り出し作り出す

「デンジ君はよくここに来るのかい?」
「ああ(あんたについての相談の為にな・・・)」
「だからここの配置に詳しいんだね」
「‥‥‥」


そこから会話は止まり無言が続く

「ほら、できたぜ」


沈黙を破ったデンジは内心自分を褒めながらコーヒーをテーブルに置きベットに腰かける


「ありがとう」

ゲンはふわっと笑いコーヒーを飲む


その姿を眺めていると携帯が震えていることに気づいた
メールを見ると挑戦者が来ているから一応戻ってこいという内容だった

「俺もそろそろ帰るな‥‥」

名残惜しいが仕方ないと割り切り部屋を出る


「デンジ君」

扉を閉めようとした瞬間ゲンに呼び止められる

「な、なんだ?」


緊張を隠すように聞き返すと

「コーヒー、インスタントだけど美味しかったよ。今度ナギサに行った時また注いでもらえるかな?」


今までに見たことがない顔をされたので言っている意味が上手く噛み砕けず、曖昧に返事をし
移動用のピジョットでナギサに帰った



その途中で言われたことを理解し顔が熱くなったのは仕方ない!!




只今片思い中
((思いが実るのは実はすぐ先だったり・・・))




fin.


相互記念
綺燐様に捧げます


那月







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