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ダイヤとジラーチ+α
これの続き



無残にも壊れたリュウセイランの塔の頂上にフライゴンは着地し、ダイヤは背中から降りてフライゴンをボールに戻す。
そして新たにレントラーをボールから出し、話しかけた。


「レントラー、やっぱりジラーチだよね」

この先から感じる懐かしい感覚。一緒に戦って、一緒に過ごしてきたからこそ覚えているその感覚にレントラーもダイヤの足にすり寄り肯定するように喉を鳴らす。

そんなレントラーを撫でてやり。一歩、また一歩と足を進めて行く。



そして塔の中心に、紫に輝く石が浮いているのを見て、ダイヤはギュッと拳を握りしめる。
フルフルと震える手を見たレントラーが心配そうに見てくるが、ダイヤは平気だよと笑う。

本当は怖い。ジラーチが私のことを覚えていなかったら、私を悪意のある人間だと思われたら。


けど、会いたい。
あの時何度も自分の窮地を救ってくれたかけがえのない仲間に。



「ジラーチ‥‥」


石がジラーチに変わるのを静かに待つ。

どれだけの時間がたっただろう。一時間かもしれない、一分という短い時間だったかもしれない、それくらい果てしない時間の末、ついに石は一層まばゆく光を放ち、石からポケモンへと姿を変えていった。


光がはじけた先にジラーチは瞳を閉じ浮かんでいる。そして、ゆっくりとその瞳を開けた‥‥



ダイヤはその姿に目を細めて懐かしむ。初めてであった時もこうしてドキドキした。それと同時にわくわくもした。

ジラーチは辺りをキョロキョロと見渡し、最後にダイヤを視界にとらえた。
するとジラーチの目は見開かれ、まっすぐダイヤの胸に飛び込んできた。


「ジラーチッ!」

ダイヤもジラーチを抱きしめる。
星からすれば短かったかもしれない別れでも、それは永遠のようだった。

二度と会えないと思っていたポケモンが、人が今目の前にいる。


ダイヤ達はその嬉しさを噛みしめ、お互いの存在を確認するように笑いあった。




「ジラーチ、今度別れたら本当に会えなくなるかもしれない‥‥

それでも私と来てくれる?」

ジラーチは大きく頷き、ダイヤのバックの中にある空のボールに自ら入っていった。
ボールの捕獲確認ランプが消え、正式にジラーチがダイヤの手持ちになったことを知らせる。

ボールを握りしめていると離れたところに何かが着地する音がして、そちらを向く。


「ファイア」

そこにいたのは先ほどまで一緒にいたファイアで、後ろからブラックとNも歩いてくる。


「お、もう終わってたか」

何があったのか三人とも分かっているのか、どこか楽しそうだ。
ダイヤはその三人の様子にあまり気に留めず、ブラックとNに謝罪する。


「二人もごめんね折角途中まで行ってたのに勝手に引き返して」

「そんなこといいよ、ここからでも十分綺麗だ。
それより新しいダイヤのトモダチがみたいな」

Nの言葉にブラックも頷く。ダイヤは少し目を開いたが、脱力したようにはにかんでボールを投げた。




星を巡った幸せの伝承
Hello Hello!!It also lets be together!



fin.



2011七夕

20110707







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