マツバ×ハヤト
キキョウジムはジョウト始まりのジムとして人が多くやってくる。
故にとても忙しい‥‥
しかし今日は早めに切り上げる事が出来た。急いで支度をしピジョットに乗って北へ飛ぶ。
キキョウを離れてしばらくすると目的地、エンジュシティが見えてきた。
彼がいつも眺めている鈴の塔、それを見るだけで顔にほんのり熱が集まる。
この一ヶ月は本当に忙しくて連絡もしてないし、向こうがしてきても無視してた。
だから今日は謝罪ついでに食事にでも誘おうと思っていたのだ。
ゆっくり旋回しながらピジョットは高度を落としていく。
ある程度の高度まで下がるとピジョットから飛び降り地面に足をつける。
後を追って着地した相棒の頭を撫でボールに戻す。
ここはエンジュの中心部から少し離れた場所。
以前、中心部に降りたらマツバに老人が驚くから控えてくれと頼まれた。
それから急ぎ足でジムへ向かう。急がないとマツバと入れ違いになりそうだ。
ジムの輪郭がはっきりしてきたところで俺は立ち止まってしまう。
ジムの前にある影は二つ。一つはマツバ、もう一つは以前ジムに来たことのある赤髪の少年。
「惜しかったね、僕に勝てないならまだカントーには行かせないよ」
「だまれ、そもそもなんでオレが命令されなくちゃいけない」
「なぜって、君のチケットは僕のゲンガーが隠してるからね。僕が命令しないかぎり出さないよ
そんなにカントーに行きたいならもう一度高いチケットをまた買うといい」
舌打ちされながらもマツバは赤髪の少年の頭を撫でる。
それを見た瞬間、俺の中のなにかが崩れていったのが分かった。
結構遠かったからきっとマツバの近くを浮いていたゴース達にもバレてないだろう。その場からゆっくりと立ち去った。
それからどうやって帰ったかは覚えていないただただ無心だったから。
胸が苦しいだけで‥‥
太陽と月
絶対に触れることのできない関係
いつからこうなってしまったのだろう
fin.
20110330修正