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ファイア+ダイヤ+リーフ+アクア



ドゴォッと通常なら絶対に聞こえない鈍い音がフィールドに響く。砂煙が晴れると、リザードンとレントラー、フシギソウとカメックスがお互いを睨みあっている。
その体には所々に傷や砂が付いているがそれを振り払うしぐさもせず、ポケモンたちはトレーナーの指示を待っていた。


「レントラー!電撃波!」

一番に動いたのはレントラーのトレーナー、ダイヤだった。レントラーは素早く声に反応し電撃を集めていく。

「フシギソウ穴を掘る!」
「カメックス高速スピンで上に逃げろ!」

うかうかしていれば必中の電撃波の餌食になるニ体はリーフとアクアの声に呼応してフシギソウは地面に潜り息をひそめ、カメックスは体を甲羅にしまい回転の力を利用して上空に舞い上がっていく。

目標がいなくなった状態で放たれた電撃波は空しく拡散していく。


「じゃあ俺の一手!リザードン、カメックスに地球投げ!」

高速スピンの回転が遅くなったころ合いを見計らってファイアがリザードンに指示を出す。
リザードンは降りてくるカメックスを後ろから抱え込み再び上空に連れ戻す。

「させない!フシギソウ穴を掘るから蔓の鞭でレントラーをほおり投げて!」

「あっ!」

ダイヤの短い声が響く。フシギソウの下からの攻撃をよけきれなかったレントラーは体制を崩し、そのままフシギソウの蔓で巻き取られ、上にほおり投げられる。

レントラーのほおり投げられた先にはカメックスとリザードン。


すでにフィニッシュの体制に入っていたリザードンは第三者が登場しても止められるわけもなく、レントラーを巻き込んだ状態で地球投げを行ってしまう。
カメックスに押しつぶされ、瀕死独特の渦目になったカメックスとレントラーをみて、トレーナーたちは動きを止める。


「引き分けかよ」

アクアは喋りながらカメックスを一旦ボールに戻してから別の場所にくりだし、治療をしていく。

このバトルの勝利条件は相手ニ体のうち一体を戦闘不能にすることで、同時にお互いのポケモン一体ずつが戦闘不能になったということは勝敗は引き分けというわけだ。


テキパキと治療をしていくアクアを見てから、ファイアはばつの悪そうにダイヤに元気のかけらを差し出し、小さくごめんと呟いた。ダイヤはそれを黙って受け取ったが目がファイアを攻めいているのは一目瞭然だった。

ダイヤがレントラーを人以上に溺愛しているのはダイヤを知る人間なら常識で、そのレントラーに地球投げを喰らわせたのは紛れもなくファイアのリザードン。弁解の余地はない。


「けっこういい試合だったね」

フシギソウと一緒にダイヤの元に歩いてきたリーフは気遣うように話題を投げる。こういうところが彼女がチャンピオン内の良心といわれる所以だろう。
ダイヤはレントラーが撫でた手にすり寄ってくるのを見てからそうだねと相槌を打った。

「ブラストバーンとハイドロカノンの一騎打ちとかそうそう見れないもんね」
「けどやっぱり、皆ダブルバトルだってことを理解してない部分が多いよな」

ダイヤの後ろに来たファイアが考えながら言う。リザードンはレントラーにすまなそうに眉を寄せながら力なく鳴く。それを聞いたレントラーは安心させるような声で鳴いた。どうやら怒っていないらしい。

ダイヤもファイアに対して何も言わないのでファイアはきっと大丈夫だと心の中で何回も念じた。


「まあ俺達のほうが様になってたよな、ファイア?」

「うっせー」


カメックスの治療を終えたアクアがファイアに自慢する。実際コンビネーションはアクアとリーフのほうが一枚上手で、実力的にはダイヤとファイアのほうが有利だったがそこで五分五分になったのでファイアは強く言えない。

「けどたまにはこういうことしないとだめだよね」

今まで黙っていたダイヤが顔をあげ笑う、三人は同意するように二、三度頷きまた反省点を挙げていく。


なぜこのようにバトルをしているかは実は少し厳しい評価をつけることで有名なカントーの雑誌に「チャンピオンは個々の能力は高いがチームワークや調査などの仕事が足りていない、だから地方が危険に脅かされることが多い」といった内容を書かれたからである。
こちらだって頑張っているのにと、珍しく怒りをあらわにしたリーフにバトルの誘いを受けたダイヤとファイアがのっかり、必然的にアクアが参加したと言うわけだ。


そしてリーフからわけをきいた仕事をしていないダイヤやチャンピオン職から逃亡したファイアは、そんなのお前らに言われたくないといい、真面目に仕事をしているところを近くで見ているアクアは、リーフがしごとをしてないなんてお前の目は節穴か、と一致団結しあれよあれよとダブルバトルが始まったのだ。


「うん!なんかまた強く慣れた気がする!」

フシギソウと顔を見合わせリーフは口にした。


「確かに。今までダブルバトルって言ってもシングルだったしな」

次はもっと周りをみような、とファイアとリザードンは苦笑いを浮かべた。


「そうだね色々新しいことにチャレンジしなきゃ」

ダイヤはレントラーをボールに戻して立ちあがり意気込む。


「けど一番コンビネーションがいいのは俺たちだし。な、リーフ」

アクアがリーフに同意を求めると同時にカメックスも鳴く、まるで同意を求めるような鳴き声に四人は声をあげて笑いだした。




Restart
「じゃあ今度は女子対男子でいってみよう!」

「ちょっとまてなんで俺がこいつなんかと!」
「俺だって同じだっ!」

「もう、仲悪いからって文句言って‥‥」



fin.



20110604







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