ホワイト+N
シッポウシティのほのかな街明かりをヤグルマの森の近くから眺めていたホワイトはその白や黄色の中にうっすらと黄緑色を見つけてしまった。
マズイ、と思った時には時、すでに遅し黄緑色の青年、Nはもうこちらを視界にとらえてしまっていた。
「やあ、酷いな人の顔を見てそんなに顔を歪めないでよ」
「歪めたくなる様な思い出しかないのよあんたには!」
ヤグルマの森で鍛えていたので今のポケモン達の体力でこいつに勝てるとは思えない、そう身構えているとNは。
「今日は君とはバトルしないよ、調整中なんだ」
あっさりとホワイトが最も選択してほしかった選択をしてくれたNにほっとしたが次の言葉はホワイトの地雷だった。
「それに君とバトルして得られるものは今はないからね、する気も起きないよ」
目を見開いたホワイトは以前ブラックに言われたことが蘇った。
『ホワイトとバトルするの嫌だよ、僕に利益ないし』
あの時はチェレンというホワイトとブラックのストッパーがいたが今この場にはホワイトとNだけだ。
プツリと頭の中で何かが切れる音が聞こえてホワイトはこぶしを握り締める。
一方のNは自分が発したことで辺りの温度が下がり、尚且つホワイトの肩が小刻みに震えているのに焦っていた。
「‥‥‥‥わ」
「え?何」
そんなときにぼそりと聞こえたホワイトの言葉が聞こえなかったのでNが聞き返すとくわっと強い表情でNを睨みつけた。
「絶対あんた達を倒すわ!!」
と大声を張り上げてNの横を通り抜けて行った。
その間わずか5秒程度。
「??達って僕とだれ‥‥‥」
Nは小さく呟いたがホワイトの姿は小さくなってシッポウシティの明りに紛れて行った。
ホワイトはシッポウシティのポケモンセンターにポケモンたちを預けた後トレーナー宿泊用の部屋で備え付けの枕をボフボフと殴っていた。
何なのよあいつ!ブラックと同じようなこと言って、私から得るものがないなんてどんな上から目線よ!!
信じらんない、あいつもブラックも完璧に叩き潰す!
目指すべき頂
見てなさい!!私を怒らせたことを後悔させてあげるわ!!
fin.
20100930完成→20110330修正