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ダイヤとゴールド



ゴールドはその日、昼から行われるポケスロンのスピードコースに出るために手続きを行おうと自然公園のポケスロンドームに行くとよく知ったいとこのダイヤを見かけた。

ジョウトにいることに驚きながらも一応話しかける。


「ちーっすダイヤ姉、なぜポケスロン。ダイヤ姉コンテストじゃないの?」
「あ、ゴールド。ジョウトでのコンテスト普及のために連れてこられたの」

とダイヤは後ろの紫のドレスを着たくるくると面白く回る女性を指差す。
ゴールドはその答えに安心したような顔をして引き返そうとする。

「ふ〜ん、じゃ俺ポケスロン出るから」
「ゴールドも?」


も。という言葉を聞いたゴールドは引き返そうとした足を止めだらだらといやな汗を流しだす。

「え・・・まさか・・・」
「そのまさかだよ?私もポケスロンやるの」


満面の笑みが、楽しみでしかたないと言っているのでゴールドはコンテストの普及はどうしたとは返せなかった。





そして今に至る。


『それでは選手紹介だー!!』
『この伝説はどこまで続く?今日も優勝を取りに来た!
チームゴールドのバクフーン・トゲチック・オオタチ!!』

ゴールドはちらちらとダイヤを盗み見る。

『シンオウからの旋風きたる!その実力はいかほどか!?
チームダイヤのレントラー・チェリム・ギャロップ!!』


ダイヤは周りに手を振りアピールすると歓声が沸き起こった。横でゴールドはため息をつく。

(まぁダイヤ姉は美少女部類だからな・・・鬼だけど)


「ゴールド、フィールド移動だよ?」


横からひょっこり現れたダイヤにゴールドはびくっと肩を大きく跳ねあげ反応する。

「うわ!!驚かすなよ」
「そっちが勝手に驚いたよね。あ、ゴールド負ける気ないから」


颯爽と去っていくダイヤにゴールドは何か嫌なものを感じながらもゴールドはそのあとに続いた。



1競技目〜ダッシュハードル〜
3匹がコースを走りハードルを飛びゴールした合計タイムを競う競技。

ハードルの直前で飛ぶとスピードアップするのでそこが勝負の分け目となる。



「ハードルか、なるべく近くで飛ぶようにしてなるべく倒すなよ。
いつも通りでいけばいい」

そうゴールドが声をかければバクフーン達が大きくうなずきコースに入っていく。
ゴールドは自分の緊張がポケモンたちに伝わっていないことにほっとする。

こんなことで心を乱されるのはまだまだだと気を取り直す。


『さあ始まるぞー!!スタート!!』

一斉に走り出すポケモンたち、ゴールドのポケモンは周りを気にせず走っては飛びを繰り返す。

『これは!!チームゴールドにぴったりくっつくようにチームダイヤが走っている!!』


そのアナウンスにゴールドは驚いてフィールド全体に視線をむける。

ダイヤのポケモンはラストスパートをかけていき抜かれるか逃げ切るかのデットヒートが沸き起こる。



『ゴール!!!チーム1位はチームゴールド!!』


その声にほっとしながらゴールドはポケモンを激励にいく。

次の競技もダイヤは僅差の2位、その次の競技も2位……
そして競技が終わり結果発表までの少しの休憩時間になる。

ゴールドはダイヤが負けないと言っていたのに、2位におさまっていることに疑問を抱く。
あの従姉が何も考えなしに出るとは思えない。

ダイヤを盗み見るとフィールドの隅でポケモンにポフィンを食べさせている。その顔にあきらめはない。



ビー


集合のブザーが鳴り響く。
ぞろぞろと選手とポケモンががフィールドの最初の位置についていく。


『さあ結果発表だ!

まずチャレンジボーナス、チームゴールド32点!チームカオリ36点!
チームダイヤ34点!チームリク41点!』

司会者の後ろの電光掲示板が上がっていく。

『続いてノーミスボーナス、チームゴールドのバクフーン!!
チームダイヤのレントラー!ギャロップ!!

以上です!』


ゴールドとダイヤのポケモンに盛大に拍手が送られる。ダイヤは別段驚く顔はせず分かっていたかのような顔をする。

司会者はまだ続いていく。

『続いて得点ボーナス、今回はいませんでした

さらに努力ボーナス、チームダイヤのレントラー!チェリム!』


ゴールドの得点よりも高い点数がダイヤのチームの得点になり、表示された。


ダイヤの狙いは競技で1位をとるよりもミスをせずにボーナス点等を稼いで僅差で2位につく。
そうすれば優勝をねらえないこともないのだ、きちんと考えられた作戦にゴールドは焦りを隠せない。

『最後に競技の得点が足されます』

3競技の得点が足されていく。一つ目、二つ目、三つ目……


1番点数が高かったのは……


『優勝は413点のチームゴールド!!』


歓声があちこちからあふれ拍手が鳴り響くなかゴールドは一気に力が抜けつつバクフーン達にお疲れと言って片手をあげて歓声にこたえる。


そんなゴールドを見ながらダイヤはチェリムを抱えて歩み寄り話しかけた。

「あ〜負けちゃった。やっぱり経験は物を言うね」


だから気にしなくていいよ、としょんぼりとしたレントラー達を励ます。


「ゴールド、おめでとう」
「サンキュダイヤ姉」
「今日の夜にコンテストのエキシビジョンするから見てってよ」


ポケスロンと同じくらい楽しいよ。見るのもやってみるのも。

そういうダイヤにゴールドは今日くらいと笑顔で了承した。



そんな土曜日の夕方
「そういえばここに来る前にジャグラーとバトルしたらなんか絡まれた」
(あんたもか!)



fin.


20100814完成→20110302修正







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