>> loving you 忍足謙也19歳。 奈緒の合格発表が気になって仕方ないです。もう発表の時間は過ぎて居るのに、何の音沙汰もないのがさらに心配だ。ソファーに座ったり立ったりとせわしなく動いてしまう。 「謙也、うっとい」 「う、うるさいわ!ってか何でお前が居るんやねん侑士!」 優雅にソファーで足を組んで座っているのは他の誰でもない従兄弟。こいつも大学は大阪に帰ってきたため、今では居るのが当たり前なのだが。一年程奈緒に会っていないのに、どうして感動の再会の場面でコイツが居るのかが不満なのだ。 「白石に振られてなぁ。今日は白石と来る予定やってんけど」 「2人で来るつもりやったんか!!」 「ま、ええやん。」 自分で入れたコーヒーに口を付けながら、カコカコと携帯を離さない。この遊び人が!!彼女5ぐらいなら今からでも相手をしてくれるんじゃないかとも思う。 だからどうにかして侑士を奈緒に会わせないようにしたい。 ピンポーン こんな時に誰か来たようである。まさか白石!?とか…。はは、そんなまさか。侑士に目で「お前が出ろ」と合図され、仕方なく玄関を開けた。そこで待ち構えて居たのは俯いた女。 「すんません、どちら…」 様ですか?と俺が言う前に、その女は俺に抱きついた。 「けん、や」 「…奈緒!?」 幾分か長くなった髪。でも、それ以外はどこも変わっていない、俺の、可愛い、彼女。顔を上げた奈緒の目はわずかに濡れていて、まばたきをすると目尻にすこし涙が溜まった。 「わ、私、受かった…!謙也、」 受かった=春から一緒。こうなるとわかっては居たものの、実際の感動は想像をはるかに超えた。奈緒を抱きしめて、抱きしめて、久方ぶりの体温を感じた。 「やったな…奈緒。」 「うん!」 まさに感動の再会。だった筈なのに、空気の読めない伊達メガネ。リビングから顔を覗かせて見ていた。 「こ、んにちは…」 「こんにちは」 多少ビックリはしたみたいだが、奈緒はいつも通り笑顔を浮かべた。 ――――・・・ 奈緒と楽しげに話していた侑士を早々に家から追い出し、ようやく二人きりの時間がやってきた。ぎゅうと奈緒を抱きしめて膝にのせたまま、離したくない。 「今日帰る感じ?」 「…うん」 「そっ、か」 ぎゅうと背中に回った奈緒の手の力が増した。奈緒の頭を撫でながらゆっくりと時間が過ぎていく。 「奈緒、顔上げて」 「…?」 少し身体を離して顔を上げた奈緒の後頭部に手を回して、唇を重ねた。初めは触れるだけだったが、ペロリと閉ざされた奈緒の唇を舐めると、うっすら開かれたそこに舌をねじ込んだ。俺の服を握る奈緒の手に力が籠もり、身を引こうとする奈緒を逃がさないように後頭部と腰に回した手に力を込めて引き寄せた。 「っ、!…けんっ…ん、」 ちゅ、ちゅ、と舌が絡み合う音がする度に恥ずかしそうに奈緒が身じろぐ。 俺は自然と奈緒の服の裾から手を這わせていた。背筋をゆっくり撫で奈緒の反応を楽しんでしまう自分。こんな自分が居たことに今まで気付けなかった。ホックを外す前に手を前に這わせて、下着に隠された膨らみを手に収めた。 「ふっ、ん、っ…っ、け、ゃっ」 ふよふよと柔らかいそれを強弱を付けて揉みしだくと、ビクンと奈緒の体が跳ねた。紅潮した頬から、首筋へ、キスをしながら下がっていく。 「あかん?…奈緒」 「…ぅ、ここ、リビング、」 リビングだからダメ、つまり俺の部屋ならOKってことか。とポジティブに考えて、奈緒を抱き上げた。 「わ、わ」 「じゃ、俺の部屋行くで」 「っ…」 すぅ、すぅ、と規則正しい寝息を立てる奈緒を抱き締めて、その寝顔をじっと見ていた。頬にはうっすらと涙の後が残っていた。白く柔らかい素肌が、ぴったりと体に寄り添う感触すら愛しい。奈緒の初めては全部俺、その事実が嬉しい。髪をなでながらしばらく寝顔を楽しんで居ると、奈緒が目覚めた。 「…ん」 「起こした?」 「んーん、だいじょぶ」 目をこすりながら更に布団に潜り込んだ。 「体大丈夫か?」 「うん。」 何も身に纏っていないにも関わらず、足を絡めてくる奈緒。む、胸も当たっとるから!いや、まぁ、全部見たし触ったし、ええんやけど、俺が大丈夫ちゃうから。 「寒いー」 「奈緒…そんな、密着されると、」 欲情した?と腕の中からこちらを見上げ、奈緒は首を傾げた。 いや、なんかもう、凶器…! そんな所も愛してる!! prev//next |