>> sleeping you はじめまして、AV。いや、なんていうかあれやんな、うん。てかほんまもんのAV見つけてしもたし………ど…どーしよう!?一瞬冷静になったら凄いヤバい気がしてきた。とりあえず停止。 「奈緒ー?」 た、タイミングよすぎる。どうしよう。どうにも出来ずに謙也登場。ヤバい、顔見れん。 「ん?DVDか?」 「あ、いや、あの…」 「もうセットできてるやん」 あ、あれ?中身がAVだって気付いてない…?まさかの? 1 誰かに貸したか聞く 2 何も言わずに再生させる 3 キレる このギリギリの選択肢の中で一番ましなの1だよね!?さ、さぁ、さぁ、聞くんだ浪越奈緒! 「け、んや…あんな…」 「ん?」 スイッチを押そうとのばされた謙也の手を止めて意を決した。 「このDVD、誰かに貸した?」 「へ?…あー、同じクラスの奴らに…。どうかしたんか?」 「あ、ほ、ほんま!?ならよかった!」 ぱっと謙也の手を離して、抱きついた。よかった、別にAVが謙也の物だったとしても構わないけど。なんていうか、ね。とりあえず喜ぶでしょ。 何のことかわかっていない謙也は頭に?を浮かべながらリモコン操作でDVDを再生した。画面では、女優がよがっている映像が写されて、謙也は速攻で電源を落とし、携帯を手に取って笑った。 「すまん。ちょっと…。」 「あ、うん」 謙也が、おこ、おこ怒って、怒ってた…!初めて見た気がする。なんていうかほんと。 「奈緒」 「ん?」 「DVD、見たらあかんで」 「りょ、了解」 とりあえずデッキからディスクを出して元のケースに戻しておいた。廊下からは謙也の声が聞こえるけど、盗み聞きするのは駄目だから、あまり意識を持って行かないようにした。 今まで見たことない連ドラをつけてみても、あまり意味が分からない。ゴロンと転がったベッドは、謙也の匂いがした。 ひとしきり友人に説教を垂れた後、部屋に戻ると、ベッドの上に丸くなって眠る奈緒がいた。気持ちよさそうに寝て…。顔に掛かる髪を避けると、うっすらと奈緒が目を開いた。 「け、んゃあ」 「起こしてもうたか?」 「んーん、だいじょぶ」 目を少し擦りながら、俺の首に腕を絡ませた。 「奈緒?」 「ぎゅーして、ちゅーも、」 「なんや、寝ぼけてるんか?」 「寝ぼけとらんもん」 頬に柔らかい感触がして、ああ、キスされた。夢か現実かわかっていないのか。でも普段から結構甘える性格やったし。普通か。 「亜衣ちゃんが、」 「亜衣ちゃん?」 「光君の彼女に電話したら、最中やったん」 …………プレイボーイ財前。明らかにつきあってから全然時間経ってないのに、もう手出してしもてるやん。俺でさえまだ奈緒にキス以上したことあらへんのに。 ん?ちょっと待てよ。まさか、奈緒はそう言うことに興味があるとか?さっきのAV事件で、俺が欲求不満やと思っとるとか?いや、あながち間違っては無いけど。奈緒にそう言うことしたいとは思う。でも無理強いしてまでとは思わない。 「謙也は、私に…」 「それ以上言ったらあかん」 まだ、優しくしてやれる自信がない。傷つけたくないから、何もせぇへん。 「電気消したるから、ちょっと離して」 「ぅん」 電気を消して、布団に潜り込むと、奈緒は俺に寄り添ってきた。すっぽり腕の中に収まった奈緒は、また寝息をたてはじめる。柔らかいものが体に当たっているのは気にしないでおこう。 ノーブラでこんな無防備なことしてたら喰われるで。 ************** ……い ……っい …… 「あっつい…!」 パチッと目が覚めたのは久々だった。なぁんか嫌な夢見た。火炙りとかいつの時代の魔女狩りなんよ。てか、私炙られるような事してないのに。 「今何時…」 壁に掛かった時計を見たら、まだ7時。もうちょい寝るか…?でも、謙也とでぇとしたいし。にしても早いか。もう一回寝よう。うん。謙也にもう一回へばりついて目を閉じた。 …寝た?寝たよな? 数分前に、奈緒が一瞬起きた。時計を見て、寝たっぽいけど。暑いって言いながら起きたから、俺が暑かったんかなって思って腕の力抜いてたんやけど、違うかったみたいや。ぴったりくっついて、眠る奈緒の髪を撫でた。寝癖ついとるし。 「ほんま、かなわんわ」 俺じゃなかったら、襲われてんで 無防備すぎます prev//next |