六通目 [ 6/8 ]
ついに！ついに遂に！この日がやって参りましたよ皆さん！私の大阪デビューッ！パチパチパチっ！なんとなんと！父母が甲子園球場に行く間、野球に興味ないからと頼み込んで、一足先に大阪に向かいます。ホテルで合流。知り合い居るから大丈夫と言うとあっさりオッケィでした。んーっエクスタシー！あ、このせりふ、謙也の友達のらしいけど、なんか気に入ってます。大阪駅で謙也と待ち合わせなのだが、電話を使わずにメールだけでのやりとりでお互いを見つけましょうプランでいこうと思います。大丈夫やろ、多分(笑)
着いたヽ(≧▽≦)/
改札抜けた！
メールで到着を知らせ、切符を渡して改札を抜けた所で近くの壁に背を預けて立った。謙也…どんな人なんやろ。って言うかやっぱり大阪って人多いなぁ…私の家の最寄り駅なんて無人駅なのに。あ、いまのうちにICOCA買っておこうかな…
「…奈緒？」
移動しようと床に置いた荷物を握ろうとしたとき、下を向いた私の視界におしゃれなスニーカーを履いた足が現れた。聞き覚えのある声だから、それだけで相手がわかった。
『謙也!?』
勢いよく頭を上げると、背の高い金髪男子が立っていた。色的にブリーチしているんだろう。おまけにかなり格好いい。斜めがけのショルダーバック、タンクトップの上に半袖パーカーを羽織ってて、七分丈のズボン。え、私こんなイケメンに醜態晒してたの!?私なんかこんなぱっとしない女子なのに！申し訳ない！
「やっぱり奈緒やった」
『…っ会いたかったよ謙也ぁぁっ！』
ガバッと私より数十センチ高い謙也の首に手を回して飛びついた。洗剤の匂いなのか香水なのかわからないけどいい匂いがした。
「こっこら！奈緒っ！」
この反応っ！謙也だ…電話越しだった謙也が私の前に居る！抱きついて満足した(それに暑いから汗つきそうだった)ので離れて、改めて謙也の顔をしかと見た。見ればみるほどイケメン。しかもなんか、赤くなって、えーやらうーやら言っているのがなんて言うか、面白い。
「そそんなに見んといてや…照れる」
顔を手で隠してしゃがみこんだ謙也の前に私もしゃがんで謙也の顔を覗き込もうとしたら、片手って頭をわしずかみにされた。うわ、なんか今ときめいた(←Ｍです)
「〜っほんま照れる！あかん！」
『けんや〜』
「………や」
『ん？』
「奈緒が可愛すぎなんや」
え？可愛い？誰が。私が？いやいやそんなまさか。謙也の目大丈夫かな？私全然可愛くないから。むしろ謙也の方が可愛くて私が困っちゃうよ！どうしてくれるのさ！
『謙也目大丈夫？病院いく？』
「なんでねん！俺の目は至って正常や！」
『正常じゃない人はみんなそう言うんやって』
「どっち言っても同じやんけ！」
私の頭から手を離した謙也としゃがんだまま少し見つめ合って、プッと吹き出した謙也につられて笑った。周りの目が若干生暖かいけど気にしないもん！ひとしきり笑って、謙也が立ち上がった。
「さーて、ほな観光や」
当たり前のように私の荷物を取った謙也を見上げると？をうかべて私に手を差し出した。あばばばば！なにこの紳士ぃぃぃっ！謙也が見た目も中身もイケメン過ぎてたまらんです。どうしたらいいのこれ、今日一日心臓持たないかもしれないよお母さん！
「まだ10時過ぎか…せやなぁ…どこ行きたい？」
『たこ焼き！』
「丁度10時のおやつやな。よっしゃ！ほな行こか。」
『うん！』
先を歩く謙也の後ろを着いて歩きながら周りをキョロキョロしていたら、ぐいっと手を引かれた。勿論相手は謙也で、苦笑いしてこちらを振り返っていた。
「あんまりキョロキョロしてたら転けるで。」
『う、うん』
ひやぁぁぁぁっ！もう謙也！男前！惚れてまうやろぉっ！デヘデヘしながら謙也の横に並んで、目一杯大阪の街並みを堪能する事にしよう。隣に謙也がいるだけで、凄く楽しい幸せ。
「明日も居るんやろ？明日ユニバーサル行く？」
『ん、どーしょうかな。謙也は明日も大丈夫なん？』
「おん。」
『じゃあ明日にしよー。今日は謙也オススメスポット＆たこ焼き巡りコース！』
「なんやそれ」
私がいつも通りのテンションでいても謙也はそれに程よい突っ込みをしてくれるから凄い楽しい！いつもは周りに黙れって言われるもんで、へへ。所で、謙也が持ってくれてる荷物は私的に凄くおもかったのだけど、謙也は大丈夫なのか。訪ねるとそうでもないそうだ。でも、私がどこかのコインロッカー入れる？と聞くと、少し考え込んで、ホテルの場所を聞かれた。道頓堀の〜とホテルの名前を言うと、なんと謙也の家の近くらしい。一回謙也の家に寄って荷物を置かせてもらうことにした。なんたる偶然！
『……でっかぁ…』
謙也の家を見て、呆気にとられた。めちゃきれいでおっきいやん。しかも家政婦さんとか！びびるわ！
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