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Since.b続編




幸村の部屋にいると全てから幸村の香りがして、幸村に包まれているような気がしてくる。現に、幸村のベッドは、幸村の香りがして、胸が…苦しい。


「緊張してる?」
「…して、る」


いつもの倍速で鼓動を奏でる私の心臓は、もはや限界点。緊張しすぎてがっちがちな私とは裏腹に、幸村は私にキスを降らせながらクスクスと笑っている。バサッと幸村が脱ぎ捨てたシャツがベッドの下に落ちた。私のブラウスのボタンをゆっくり外しながらも、キスはやめようとしない。


「ウサギみたいだ」
「ゆき、」
「待ったは一回きりだよ」
「…ずるい」


ずるくて結構。と幸村はペロリと唇を舐めて一旦体を起こした(もちろん私に跨っているのは変わらない)。私がウサギなら、幸村は狼だ。優しい羊の皮を被った、獰猛な野獣。付き合い始めてからと言うもの、なんだか幸村がドSな気がしてきた。長い間幸村とは一緒に居た筈なのに、知らないことがまだたくさんあったようである。


「なんで、そんな余裕なの…?」
「そう見える?」


幸村が私の手を誘導して、彼の左胸に触れさせられた。トクントクンといつもより速く跳ねているそれを感じて、少し安心した。幸村も同じなんだと。


「ね、わかった?」
「…うん」
「では続行します」
「、うん」


後は幸村にすべてを任せるしか出来なかった。自分でも触ったことが無いような場所に幸村が触れて、私が私じゃないような声を上げる。恥ずかしくて、シーツを握りしめたり、声を抑えようとしても幸村はそれを許さない。中で蠢く幸村の指が、私を悦ばせて理性が、無くなる。


「やっ、やぁ、あっ!」


私が高く鳴いた一点を、幸村は的確に攻め始めた。こんな感覚、知らない。胸に吸いついたり痕を付けたりしながらも、器用にそれをやってのける幸村。どこでこんなこと学んで来たんだろうか。


「いや、っやだ、ゆきむら!」
「ん、イっていいよ」
「やぁ、っあ!らめ、っあああ!」


ビクビクと体が麻痺しているのがわかる。そしてこの倦怠感。今のがイクって事だよと幸村が囁いた。まだ私の息がままならないままで、幸村は私の膝の裏に手をかけて一気に開いた。すべてが見える体勢に、羞恥を感じて抵抗してもかなう訳が無かった。


「や…っ」
「ごめん。やっぱり優しくは出来なさそうだ」
「…え?っ!!あああっ!」


いつの間にかあてがわれていた幸村のそれが、押し入って来た。体が引き裂かれるような痛みに、必死にシーツを握りしめた。


「っく、名前、」
「ふぇ、痛い、よぉっ」


幸村が苦しそうに顔を歪め、ごめんと一言言ったかと思えば、華奢なようでしっかりした手が、私の腰を掴み一気に引き寄せた。あまりにも急すぎて私の意識はブラックアウトした。




声にならない悲鳴を上げて名前が意識を失った時、少なからず罪悪感はあった。でも、名前の処女を手に入れた事だけで、俺は満足だった。名前の意識が帰ってくるようにゆっくりピストンを繰り返し、愛撫を続けた。数分程だろうか、いや、もっと長かったかもしれないが、名前がうっすらと目を開いた。


「ん、ゆき、?」
「大丈夫?」
「ん…ちょい痛いかも、」
「ごめんね、優しくできなくて」


ぐっと押し付け、密着させると、名前は息を呑んで身じろいだ。


「苦しい?」
「ん、ん、大丈夫…だよ。幸村大好き」
「名前で呼んで?…愛してるよ」
「んあ、ぁ、せいいち…!」


名前の、程よく肉の付いた柔らかい太ももにキスを落としながら肩に掛ける。より深く、名前を感じられる体勢。もはや彼女は快感に呑まれそうな表情で俺を見つめている。一度深く律動を始めれば、もう、止まることは出来なかった。


「あっ、あ、やぁ、はげしっい、ゆきっあああっ」
「名前、呼んでって、言っただろ?」
「ごめっ、ん、なさ、ぁっ」
「フフッ、お仕置きだね」


初めてなのに、名前は何度も達しながらあれ以来意識を失わない。そういえば名前は持久力だけはあったなぁなんて思いつつ、また、絶頂へ導いた。そして、待ったをかけた名前は、息も絶え絶えに首を横に振る


「お仕置きって言ったよ?」
「もうっ、体力保たな…」
「気絶しても、また、起こしてあげる、よっ」
「っあああっ!!」


ギリギリまで引き抜いて突き上げると、それだけでイってしまった。もう、彼女の体全体が性感帯とも言える状況。
名前が解放されたのは、それから数時間後の事だった。



翌朝―――

「激しすぎ…」
「俺、絶倫だから」
「そんなどや顔で言わないでよ!」


それでも、幸村の腕の中で迎えた朝は、今までで一番幸せだった。






(あーまたムラムラしてきた)(今日は無理!)


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