orzなう。 なうってもう死語?でも使う。某呟きサイトの、私の最新呟きは上記のものである。台風でも来たら学校休みになってこれからの任務も無かったんだろうに。でも季節柄それは有り得ない。熱が出るように祈ったけど出なかった。逃げられない。 今日、これから私がしなければならない事は簡単だ。みんなのプリンスに告白して振られる、たったそれだけ。この間、仲のいい友達とやったトランプゲームで見事惨敗した私への罰ゲーム。テニス部の誰か1人に告白。私は桑原にでもしようと思っていたが(因みに仲良し)、あみだくじでその相手を決められてしまったため、断念。しかもその選択肢に桑原入ってなかったからね?ははは、ウケる。丸井切原仁王幸村真田柳柳生と並べられた名前。なんで真田は居るのに桑原は居ないんだ!てか真田になったら他のメンツに比べて罪悪感パネェよ…。 「えー本気?本気でやらせるの?」 「当たり前でしょー!大丈夫、万が一OKだったら応援するから」 「そうそう。」 「やだー本気無理!幸村とかになったらどうしてくれんのよ」 私の、この、中学から暖めてきた彼への恋心を。こんな形で振られるのってヤだな。でも、どうせ一生伝える事も無いだろうし、この機会にすれば最終的には冗談で終わる。だから、後々の風当たりは悪くはない筈。 でも確率は七分の一。有り得ないかー。 「あ、残念幸村だ」 /(^o^)\ ナンテコッタ! はは、まさにこんな感じ。しかも奴らの行動は早かった。キャンパス内のコートに幸村が居るという情報を元に、私をそこへ引きずっていったのだ。それから彼らがテニスをしてるのを鑑賞して、今に至る。 さっきまでいっぱい居たギャラリーも減ってきたが、やはり出待ちの子もいっぱい居る。中学高校に比べればまだましかな。あの頃の私は屋上とか教室とか、離れて見てたから、こんなに間近で見たのは片手で数えられる程。 「ほら、名前!幸村くん出てくるよ!」 「わ、わかってるよ…タイミングってやつがぁ」 そうこうしている内に、プリンスは他のメンバーと出てきた。みんな遠巻きに騒いで居るため、近くはがら空き。それでもまだ行くか行かないか迷っていると、友達は私の背中を押した。それがまた、面白いくらい上手く、幸村くんの近くに押し出してくれたものだから、必然的に彼の視界に私が入り、彼と間近で顔を合わせることになった。 「大丈夫?」 「あっ、はい!」 「フフッ元気だね」 綺麗…。素直にそう感じた。話すのは愚か、半径5メートル以内に入った事がなかった私にしてみればかなり貴重で、赤面ものだ。 「あの!」 言うならいまだ。そう思った。 「好きです!」 「………」 振るなら振るで、早くフって欲しい。周りからの視線が痛い。周りはザワザワとしているのに、幸村は未だに固まったまま。それを見かねたように変わりに口を開いたのは、彼と部室から出てきた柳蓮二だった。 「良かったな精市。」 「っ〜…!蓮二!」 良 か っ た な ? しかも幸村は赤くなった顔を隠すように手で覆った。待て待て待て。私の脳みそが自分の都合が良いように解釈しようとしている。まさか、だよね?世の中そんな、甘くないって分かってるよ? 「あながち間違ってはいないぞ、苗字名前」 「!なんで私の…」 「昔から、聞いていたのでな」 あえて柳蓮二が強調した、昔から、にはどんな意味があるのだろうか。自惚れても、いいのだろうか。 「精市、返事をしてやらなければ困っているぞ」 「蓮二、俺生きてて良かった」 「そうだな」 はぁぁぁっ、と息を深く吐き出した幸村は、私を見据えた。 どくん、どくんと脈打つ躰。それほどまでに緊張しているのだ。 「俺も、ずっと見てました」 「…え、っ」 周りが悲鳴を上げた。私を包む幸村の腕。これ、現実?後ろを振り向き、私を押した友達を確認すると、彼女達はなんとなく分かっていたのか当たり前、みたいな顔で笑っている。策士かっっ! 「やっ、たー!」 「きゃあっ!!」 凄い早業で幸村は私を姫抱きにして、嬉しそうにはしゃいだ。私からしてみれば怖くて怖くてそれどころじゃ無かったんだけど。 「蓮二!俺今凄い幸せだ!」 「良かったじゃないか」 「他の奴らにも自慢してくる!」 子供みたいにはしゃぎながら喜ぶ幸村を見れば、これが罰ゲームだったなんて忘れてしまった。 後日、私への罰ゲームが、リアルに仕組まれたものだと発覚。あみだくじを正確に下れば、私は真田に告白していたのだ。私の友達と柳が繋がってたなんて知らなかったから、そんなの想像もできなかったのだ。 まぁ結果、私は幸村とお付き合いできているわけで、悪いことは全くないのだけど。しいて言えば、プリガムレッドにちゃかされ、遊ばれるポジションに私が就いているくらいだろう。 (片思い期間は長かったけど)(終わりよければ全てよし!) |