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『邪 魔 !どいてよ跡部君。通れないんだけど』

「アーン?なんだ苗字居たのか。小さくて見えなかったぜ」


イラっとして、跡部君を睨み上げる。

跡部君とは、中学校にはいって初めて出会って、初めはいい奴とか思ってたけど

全然いいやつじゃなかった。


『そのうち150cm以上になってやるんだから!跡部君の馬鹿野郎っ!泣きぼくろっ!』


捨て台詞のように言い捨てて

教室に帰った。

でも、すぐに奴は教室に入ってくる。なぜなら同じクラス、しかも隣の席だからだ。


「150cmになってやるか・・・そう言い続けてもう1年は経ったんじゃねーか?」

『うるさいっ!がっくんとか、忍足は小さくて可愛いって言ってくれるもん!それにまだ伸びるのは止まってまーせーん!』

「・・・なんだ、止まってないのか。予想外だ、そのままでもいいと思うがな」

『は?』

「いや、何でもねぇ」

『いつもに増して意味の分からない人だね。』


本当は、小さく呟いた彼の言葉は耳に届いていたけど、あえて聞こえなかった振りをした

だって、あそこで反応しちゃったら、絶対私の気持ちがばれてしまう


「おい、どうした?気分でも悪いのか、アーン?」


ほら、こうやって意地悪してきても何気ないときに優しくするから


好き


相手が跡部君じゃなかったら、素直に気持ちを伝えられるんだろうけどな

嫌いって言ってるのは嘘だって、見抜いてほしい。インサイトとかいうやつでさ。

ま、跡部君は私のことなんて眼中にもないだろうけど、思うのは私の勝手だし。


『跡部君のバーカ』

「おい、独り言はもっと聞こえないように言え。それとも喧嘩売ってんのか?」

『いや、なんとなく思ったことが口に出ただけ。・・・怒った?』


いつもはしないけど、女の子らしく小首をかしげてみたら、顔を逸らされた。

あーはいはい、分かりました。私なんかがやっても気持ち悪いってか


「おい」

『なーに?』

「今の、俺以外にすんじゃねーぞ。」

『はぁっ?』

「わかったか?」

『・・・わかった』


俺だから許すけど、ほかのやつなら絶対キモイって言うってか

なんだよ、跡部のくせに。

でも、そういうところも好きとか思う自分が気持ち悪い。

つか、ドンだけ私、跡部君のこと好きなのよ。


『跡部』

「・・・怒ってるのか?」


どうやら、君付けがないことから、私が怒っているのだと思ったらしい

実際怒ってなんてないけど。


『景吾』

「・・・どうしたんだ、さっきから」

『んー・・・なんとなく。やっぱり跡部君が一番しっくりくるなーと思って。』

「・・・・」


言いなり黙り込んだ跡部君。

怒ったのだろうか


『なn「名前」・・・・は?』

「今日から、名前だ。」


何そのイメチェン的なノリ。

まぁ、嫌ではなかったりするけど、なんとなく気分的に変わる


『じゃあ、景吾君』

「景吾でいい。君はつけるな」

『えー何それ。チョー俺様ーっ!』

「悪いか?跡部様で」

『はいはい、跡部様はすごいですねー(棒読み)』


こんなふうに、笑い会える日々が続けばいいなと思った

友達以上の地位なんて、今はまだ望んでいないから、コレぐらいの距離がいい。

この恋がこのまま終わってしまってもいい。

だから今はこの暴君の隣の席というのを利用して

少しだけ、傍にいさせてください。神様・・・


君の隣
(俺の気持ちにも気付いてくれよ)




跡部!!
俺様跡部です!
つか、跡部ってこんなキャラだったっけ・・・?と書いてて思いました

はい、すみませんでしたorz

なにはともあれ、ここまで読んでくださって、有難うございました!^^


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