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部活が終わって、明日提出になっている課題のプリントを教室に忘れたことに気付き、面倒臭いながらも渋々取りに行くことにした

朝学校に早めに来てやると言う手もあるが、朝は朝練があるからそれ以上早く学校に来るとなれば更に面倒臭い

早めに行って早く家に帰りたい

そんな気持ちに押されて自然と足は早くなるが、教室の前に着いてはたと気付いた

電気もついていないし、扉もしまっている。職員室に鍵を取りに行けばよかった

ズズズッと手元のジュースを啜る。好きなんだよね、抹茶ラテ

取りあえずダメもとで手をかけてみればすんなりと扉は開いた


『あ、ラッキー。開いてる』


寂しく独り言を呟いてがらりと開けば、中に人が居た

嬉しさでにやけていた(多分)顔を驚きに強ばらせて、窓から差し込む夕日に目を細めた

逆光で相手の顔は見えなかったけど、分かる事は相手が男だと言うこと

ウチのクラスで、一番存在感がある人だ。シルエットで分かった


『なにしてんの』


間違っても、怒ったような言い方をしたわけではないので、そこのあたり理解してほしい

ふっと顔の筋肉を緩めて彼に微笑んだ

なのに彼は無表情で、何の反応も示さない。正直イラついた

でも、私はまだ自分の命が惜しいので顔に出すなんて馬鹿な真似しない


『部活ないの?』


はいシカト。

こいつなんなんだよ、わじわじする(イライラする)

適当に自分の席まで行って机の中に手を突っ込んだ

置き勉してるから、机の中は詰まっている。だからなかなかプリントが出てこない

もしかしたら奥の方でぐちゃってなってるのかも、あーもう


「苗字さん」

『んぁ?なにー』


机の中をのぞき込んだまま彼に返事を返した。プリントは未だ出てこない

「探し物はこれではありませんか」

『は?あ!それぇっ!!』

彼の手に握られたプリントに手を伸ばし、上体を起こそうとしたが、机の奥まで入った左手が抜けにくくて、ガタンと重々しい音を立てて机が動いた

中身が詰まってるだけあって痛い机の上に有った抹茶ラテが滑り落ちるように机から床へダイブしようとしていた

やっちまった、めんどくさーと思ったが、何時になっても床とボトルがお友達になった音がしない


「…まったく、落ち着きがありませんね」


呆れたように言った彼の手にはプリントと抹茶ラテ


『おぉ…さすが殺し屋ぁ』

「それ、誉めてますか?」


ちうっとそれに口をつけて奴はゴクリと飲み込んだ

うわ、間接チュウだ。はずかしー(棒読)

ゆっくり腕を机から抜いて、彼に向き合った


『それ、あげるからプリントちょーだい』

「嫌です」

『は?』

「せっかく届けてあげようとした、俺の計画を台無しにしてくれましたね」

『いや、わけわからん』

「わかりなさい」


ため息を吐いて、彼は尚も呟く。うん、わけわからん


「貴女に言いたい事があります」


一歩、彼が私に近づいた

貴女が好きです
(…)(なんですか)
(いや、わけわからんくはないけど)







木手夢初挑戦。いや、むしろ読んだこともないが←
きっともう沖縄絶対かかない。喋り方分からんww

何気に、ヒロインちゃんのキャラが好き。木手の彼女にはもったいない





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