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名前さんが忘れていったのでとサークルの前にテツに渡された紙袋。何気なく中身を見てしまったことをここまで後悔したことはない。どう見てもそれは下着の類で、そもそもアイツがテツの家に遊びに行っていたなんて知らなかった。逐一報告しろとは言わないが、流石にほかの男の家に泊まりに行ったとなると黙ってはいられない。まさかこんなに堂々と浮気相手が俺に下着を渡すとは考えにくかったが、どうせならこの機会を利用しない手はない。お仕置きと称していろいろと悪戯する理由ができたのだから。
サークルが終わってすぐに名前を家に呼び出しておく。何の疑いもなく家で待ってると可愛い顔文字付きでLINEに返信が来たことを確認してから帰路についた。すでに脳内では帰宅後のお楽しみについていろいろと考えていた。この前通販で買ったあれを使ってやろうとか、あれさせようとかまぁ、いろいろと。

「おかえりー。適当にご飯作っておいたよ」
「おー」

ワンルームの狭い部屋、入ってすぐのところには台所がある。まだ完成とまではいかないのだろう、コンロには火がついていた。自分ひとりのときにはめったに使わないそれは、名前が来ているときにだけ活用されている。

「もうちょっとでできるから」

荷物を適当な場所に投げて後ろから腹に手を回したが、特に何の反応もなく名前は鍋の中の様子を見ている。色気のないTシャツとパンツ姿だとはいえ、流石に好きな奴と体を密着させれば興奮だってする。主に下半身が。加えて帰り道の間中ずっといかがわしい妄想をしながら帰ってきたのだ、電車の中で反応しなかっただけマシだ。

「ちょっと、なんでたってるの」
「せーりげんしょーだろ」

以外に思われるかもしれないがこいつは巨乳ではない。小さくもないが大きくもない。しかし俺の手だと少し物足りない程度の胸を後ろから掴んだ。流石にこれには反発して左ひじが脇腹にささった。それでも俺の下半身は元気らしい。めげずにしばらくセクハラを続けているとカチッと火を止める音が聞こえた。このタイミングを逃す手はない。すかさず軽い名前の体を小脇に抱えてベッドに押し倒した。

「青峰?」
「なんだよ」
「いや、流石に拘束はちょっと」

学生の頃と違ってネクタイは手元にないし、かといってベルトを使えば擦れて跡が残るのも嫌だ。消去法で残ったのはスポーツタオルだった。ちょうど洗濯物を取り込んだままで近くにあったものを利用して両手の自由を奪う。そこまで怒っているというわけではないがわざと不機嫌な顔をしていると、怒っていると勘違いした名前の顔が青褪めた。その顔は嫌いじゃない。

「何かしたか、って顔だな」

脱がせる前に手を縛ったせいで、その場所でTシャツがクシャクシャと溜まっているがそれも視覚的に良しとしよう。昔は手を忍ばせただけで顔を赤らめていたのに今ではどうだ。上半身が裸になっているのに照れもしない。

「ま、時間はたっぷりやるから、ゆーっくり考えろよ」
「え…」

ベッドの下から見覚えのある箱を取り出すと、本格的に身の危険を感じたのか若干涙目になっていた。そろそろ別の箱に変えなければ中のものが入りきらなくなっているくらい中には様々なものが入っている。バイト代を貯めては新しいものを買っていると気が付けば相当な数になっていたのだから仕方ない。

「名前チャンはコレ、好きだもんなァ?」
「無理無理!やめて!」

いかにも卑猥なそれには使われる方にとっては悪質とも言えるような突起がいくつもある。俺のものに比べれば小ぶりであろうが、流石に慣らさずには入らない。その時のためにと買っておいたローション。買ってから使うことはなかったが、やっと日の目を見ることになった。強引に短パンと下着を下してローションを垂らす。いつも通りに丁寧に中をほぐしてやりそうになったがこれはお仕置きだと途中で思い出した。馴染ませただけで、すぐにバイブをあてがった。先端から少しだけを中に押し込む。

「ぅ…んん…」

そこでスイッチを入れると、まだ先端しか入っていないため快感というよりは違和感の方に
近いんだろう。顔をしかめられたので、残りのボディも一瞬で中に押し込んだ。息をのんだ名前の体が少しずつ熱くなってきたのが触れていた手のひらから伝わってくる。

「ヒッ、あ…やだぁ…」
「足、震えてっけど?」

五段階の振動に調節できるうちの三段階目にして、次の作業に取り掛かった。敏感な秘部の突起専用の、よく使用しているアイテムをつけてやると、ぎりぎりで持ちこたえていた身体はあっけなく絶頂に達した。一度達してしまえば後は断続的にやってくる絶頂にもてあそばれてしまうことを名前はよく知っていた。

「…、ゆるし、てっ」
「何したのかわかんねーくせによぉ」

目だけはどうして自分が謝っているのかわからないと言わんばかりに怒りを含んでいるようだったが、このあたりで止めておかないと今後しばらく禁欲生活が続くことになるので、ひとまず問題の紙袋を取り出した。

「これ、中身なんだったと思う?」
「…ぇ?…何?」

パサッとベッドの上に中身を落とすと、名前は何かを思い出したように目を見開いた。

「ちょ、誤解…誤解だから!」
「あ?」
「それ、黒子君の彼女に貸してたキャミ…!!!」

やっぱりとは思ったが、一度起きてしまった下半身はおさまりがつかないので中断はしない。たぶんこれが終わったあとで説教になるのだろうが。

「まぁ、あれだ。うたがわしきはばっす」
「バカが頑張って賢そうな言葉つかってんじゃないわよ!」
「そのバカにひんひん言わされる奴がなにいってんだよ」

濡れそぼった下半身同士が触れ合うと、もう一度名前は熱に浮かされる心の準備をしたようだった。



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