20000 | ナノ





毎日、名前は居残り練習をして帰る。男子程ではないにせよ結果を残す女子テニス部の部長であるからには強くありたいと言って、人の何倍も努力している姿に惚れたと言っても過言ではない。でもその分プライドが高くて、可愛げ無いと見られがちな所も俺の好きな所。


「名前」
「仁王、今から着替えるからまって…」


名前より先に着替えて女子の部室に入った。ちょうど名前がラケットをしまったタイミングで、まだ練習着のままだった。部室に入った俺を横目にとらえたのは一瞬で、気にしていないと言っているかのごとく背中を向けて着替えようとした名前を後ろから抱きしめた。


「何?…いきなり。着替えらんないじゃない」


不満そうに見上げてきた顔、それ以上何かを言わせないように唇を塞いだ。雰囲気で何かを察した名前が抵抗しようとしたのを、両手を片手でロッカーに押し付ける事で防いで少しずつ体の力が抜けるのを待っていた。


「は、…におー…何なの、」


何なの、と言いながらも、既に名前は女の顔をしていた。しかしまだ俺に流される気はないのか、目つきは睨み付けるように鋭かったけれど。にらみつけながら着替えるから離れてよと言われても手を掴まれたままでは俺に主導権がある事を忘れてはいけない。


「だめ?」
「っ…だ、駄目!…ん、誰か来たら…」


耳から首筋を唇でなぞると敏感に反応するくせに、まだ身体をよじって逃げようとする。素直じゃなくて強情なのはいつまで経っても治らないものだ。


「名前が最後じゃ…だから、な?」
「やっ、〜ぅ」


服の裾から手を入れて、下着を含めて胸の上まで押し上げた。ここまですれば手を離しても抵抗なんて知れている。腹部と胸に片手ずつ手を添えた。後ろからでは口を使って愛撫する事はできないが、変わりに耳を舐めまわした。反応している胸の突起をこね回すと下唇を噛んで声を押し殺そうとするのを、腰に回していた手を、口に持って行き指を無理やり押し込む事で阻止した。


「ひっ、や、ぁ…ぁ、」
「気持ちい?」
「や、…」


下着の上から中心をなぞると、布越しにでもそこが濡れて居るのが確認できるほどに湿っていた。邪魔な布の脇から指を忍ばせるころにはぐずぐずに濡れそぼって、俺の指を飲み込んでいた。


「はっぁ、…ぃや、っ…雅治っ」
「やめてもいいんか?」
「!!…」


指で中をかき回し、突起を抓ると声もあげずに名前は達した。ずるずると足の力が抜けたままその場にしゃがんでしまいそうな名前を抱えてベンチに寝かせ、跨がった。


「欲しい…?」
「…っ、」


目を逸らして口元に手の甲を当てながら羞恥に頬を染めて頷いた名前の頬にキスをした。一旦ゴムを取るために離れたのを、俺の気が萎えたのかと捉えたらしい。再びベンチに上った俺の首に必死で取り付いてきた。


「や、やめ、ないで…っ」
「…止めれるわけないじゃろ」


抱きつかれたままで、いつもより装着に手間取ったがなんとか付け終え、入り口にこすりつけた。


「雅治…っ」


こんな時しか甘えてはくれないが、それが逆にいい。名前が弱みを見せるのも、甘い声を聞かせるのも、俺だけで十分だからだ。
何度となく俺の形を覚えるほど擦り合ってきたそこに、まるでピースがはまるかのように包み込まれた。


「んぁ…っあ、!」


強く動くたびに爪が背中に今にも食い込みそうなほど名前のからだに力が籠もる。泣きそうな顔で俺の名前を呼びながら限界を訴える瞳を縁取るそれには涙が溜まっていた。


「もう、やだ、雅治…っ」
「名前…一緒に、な」
「んっ、」


軽く唇を触れあわせて最奥を突き上げた。そこからはさほど時間もかからずに二人で達した。

行為が終わった後の部室で、ノロノロと着替えを再開した名前は俄かに後悔していた。仮にも神聖な部室で、あんな卑猥な事をしてしまった事を。


「怒って「る!!」


なんで部室で盛るの!とぶちぶちと不満を垂れながら少し乱暴にロッカーをしめた。


「名前」
「な……!」
「許して?」


ぺろっと唇を舐めて、甘えるように小首を傾げると名前が許してくれるのを知っていてわざとしている。それに名前も気づいていても許してくれてしまうのだから、やはり名前も俺を好いていてくれるのだと思う。





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