09
片倉小十郎が現れてから、幾分か大人しくなった筆頭は、一晩泊まっていけ、と言い残し去って行った。なんでも執務に追われているらしい。
その場に残った片倉小十郎に挨拶を済まし、小十郎さんと呼ぶ許可を頂いた。
現在は、小十郎さんに案内された客間に一人でゴロゴロとしている。そらもうゴロンゴロンと転がっている。
だけど壁に思いっ切り爪先をぶつけて、やめた。
「ぷ、くくく、なまえちゃんってば、くく、あはははは」
「あー、佐助覗きだー、破廉恥だー」
未だ笑い続ける佐助。なんだか腹たつ。急に落ちてきて吃驚させといて、なんだよ。笑いに耐えられなくて落ちたとかなんだよ。ほんの少しでも心配してやった私に謝れ!
「あーあ、こんな笑ったの久しぶりだ。わー!なまえちゃん御免ね!不貞腐れないで!」
「ばかー!猿ー!」
「ちょ、ほんと御免ってば!その手をワキワキするのやめてよ!」
こうなったら、筋肉の刑だ!とりゃー!
どうしてこうなるの、と涙目で床に倒れる佐助が呟いた、半裸で。佐助の筋肉ってかなり締まってて、触ってて面白いんだよね。あはー、と佐助の物真似をすれば、佐助は立ち上がって急々と服を着直した。
「まったく。間違えても、竜の旦那には筋肉見せろだなんて言わないでね。そのまま喰われるよ」
「平気平気、寧ろこっちから喰ってやるから」
「あのねえなまえちゃん、ってもう聞いてないし・・・はあ」
暫く佐助と戯れた後、夕餉をご馳走になり、布団の中で目を閉じた。
明日は絶対に筆頭と小十郎さんの筋肉を拝むんだ!と誓って、眠りについた。
翌朝、こんなに早く筋肉を拝める事になるなんて、と呟くことになるのは露知らず。
09.戯れました。
(Good moning,my sweet honey.)
(き、きんにく・・・!)
(Ah-?)
(む、むないた、まぶしい・・・!)
−−−
ウフフ、逆ハーっぽくなってきたかしら。
カナメ