窒息死



「ぐ……ぇ゙」


「はは、汚い」


痛い痛い、銀時止めて。
昨日の夜はお互い久しぶりの再会にびっくりして、でも酒を飲み比べして笑い合ったじゃないか。
なのにどうして今銀時は俺の首をギリギリと締めて笑っているの?
肺の中には酸素が無くなりかけていて、今にも死んじゃいそう。
涎を口端からダラダラとだらしなく垂らす俺を嬉しそうに銀時は微笑むとあろうことか俺の唇を貪った。


「んン…ッ!」


酸素、無くなっちゃいそう。
クラクラして視界は白くなってそれで、


「……ッッ」


「い゙や゙ああ、生きだい…ッ」


銀時の髪を掴みブチ、と数本髪が抜けると銀時は眉間にシワを寄せて俺の頬を殴った。
痛い、痛い痛い痛い痛い!!
何度も何度も殴られて。
怖い、銀時止めてよ。
銀時の腕に爪をたてた。
パァンッ、と頬を強く叩かれてそのまま首に首輪を付けられ手足を鎖で拘束された。
ああ、もうこのまま殺されるんだ。


「ひ、あ、!?」


グチ、とアナルに銀時の自身が無理やり入って、
ああ嘘だ嘘だ。
裂ける、痛い痛い痛い!!
好き、だったのに…、こんな、こんな酷い事されても好きだなんて本当に本当に馬鹿げてる。


「銀時、ぃ、ふええん!!」


「高杉…ッ」


ハラハラと落ちる痛みと悲しみの涙を銀時は優しく舐めとった。


「ひ…ッ、いや、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」


どうして、怖い。
銀時が優しい行動をしたといえのに恐怖でいっぱいで。
でも愛しさもあって思考はグチャグチャ。


「高杉、高杉高杉」


「ごめ、なさ、ごめんなさいごめんなさい、ふあ、ああん!!」


グポッ、グポッといやらしい音が響く。
気持ちいいよ、怖いよ、愛しいよ、
息ができない。
二酸化炭素を吐き出せ、じゃないと酸素は肺に入らない。


「高杉、愛してる…」


「いや、だ、ああ、んあっ!」


嫌じゃない、嫌じゃないよ。
でも、あ、れ。
本当に俺は銀時を愛していたのかな?




―――――――――――



「…ん……ぅ」


目を覚ますと布団の上だった。
一瞬夢かと考えたがその考えも白濁でぎゅるぎゅると腹が鳴り、痛みで本当にあった事だと無理やり理解させられる。
体中ベトベト。


「目ぇ、覚めたか」


「!」


声のする方に顔を向けると粥を持った銀時がゆっくりと此方に向かって歩いてきた、ああ。


「粥の前に風呂―…」


「ひッ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいッ」


怖い、謝らなきゃ。
ガシャン、と音がして目を上に上げると銀時が先ほど持っていた美味しそうな粥がグチャグチャに床に落ちていた。
恐る恐るさらに視線を上げた。


「ぎ、とき…」


声、震えてるの丸分かり。


「…悪かった……」


銀時がゆっくりと俺に近寄って優しく抱き締めようと手を伸ばしたが怖くて後退りをした。
銀時が怖い。
裂けた尻が痛い。
殴られた体が痛い。
白濁の入った腹が痛い。
心が痛い。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


「高杉!」


銀時が無理やり、でも優しく酷く優しく抱き締めてきた。
体がガタガタ震える。
次は何をされるのかなって。
不安で不安で。
でも銀時の温もりにちょっぴりドキドキなんかして。


「ふ……ッ」


頬を伝う涙を舐められた。
銀時と目が合う。


「ぎんとき…?」


おでこ同士をゴチ、とくっつけられて。


「お前を壊したなら、俺も壊れるから、だけどこれだけ、」



愛してる、



酷く優しい声と言葉にボロッと涙が出た。
止まらない。
胸が苦しい。


「んぁ…」


「お前の視界に入る全てに嫉妬した、」


「や、ぎんときッ」


「昔からずっと傍に居たのは俺なのに、高杉はいなくなって」


「銀時、止めて、ごめんなさいッ」


「こんなに愛してるのに」


その言葉を最後に銀時は無理やり俺に口付けた。
腰砕きの甘いキス。
それは深く激しくいやらしくて、ピチャピチャとお互いを貪り合って。
お互いに呼吸を忘れてそのまま、



   ブッツリ。




お互い息を忘れるくらい
求め合った、



 
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -