いっそのこと、



嫌ってくれたらいいのに。
お互いに余裕のないセックスを最近よくする。
ハアハア、と犬みたいに息を乱しながら。
でも途中、俺のケツにぶち込んだ銀時の表情は酷く優しかった。
そして、今日も。


「あ、ン……」


「乳首、気持ちいんだ」


「だま、ふあ、んん」


黙れ、と反論する前に唇を塞がれた。
目が合うと


(ああ、また……)


切なそうな、幸せそうな表情。
ああでも普通セックスしてたらそんな表情になるのかな。
ぬちゃぬちゃで気持ちいいし、ストレス発散にもなる。
ただ、でもどうして
俺(男)なんだろうか。


「いい?、高杉、」


「ん、早く…」


ぐぷん、とズブズブ、と
中を犯される。


「熱い、銀時、……ぁ」


「…高杉………」


頭を優しく撫でられた。
不覚にも、涙が出そうになった。ハクハクと酸素を取り込もうとしたけど、何で、酸素入らないの、
苦しい、苦しい苦しい。
胸が痛い……ッ


「高杉……」


「やめ…銀…ッ」


ただの性欲処理のしあいじゃないか。
セフレのようなものなのにどうしてお前は、


こんなにも幸せそうに微笑むのだろうか…


「あッ、あああ!!、やぁ、ん」


「はあ、晋助……」


「……ふ、ぇ、」


ボロボロと涙が出た。
嘘、まさか、何で。


「……銀時、お前…俺のこと好きだったりすんの…?」


「……だったら?」


「…分かんない、よぉ、」


涙、止まらない、
銀時、銀時。


「なら、言ってやるよ、」


「!?」


「お前は俺のこと好きだよ」


「え、え、や、」


「好きだ、」


「ぎ、ぎ…ッ、ふあああ!、ああ、あんッ、やあ、ああ!!」


いきなり動きを再開させられた。ぐぷぐぷと結合部に白い泡がたっているのが分かった。
腰をガッチリと両手に掴まれた。
逃げられない、動けない。
銀時の表情を伺うと余裕はなさそうだった。
額の汗を拭い、両手で銀時の顔を挟んだ。


「晋、助…?」


「…銀時」


唇を自らくっつけると銀時は愛おしそうに舌を絡めたんだ…。






――――――――――――




「銀時、」


「ん?」


軽く絡めた指先、
触れるか触れないかの鼻先。
ジッと見つめる赤い目。


「…次は、」





百万回の好きより
一回の愛してる、を下さい。


Fin.




 
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -