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知らず知らずに物語の中に引き込まれていた。とても魅力的な話だった。
ただ、一カ所。文字と文字の間に変な空間があったのが残念だった。


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まず事件に似合う雰囲気の表現がとてもいいと思いました。

が、冒頭の書き出し辺りからして名探偵のお出ましにわくわくしましたが、予想外のホラー展開に肩すかしを食らった気分です…
探偵出て欲しかったなぁ…多分京極●彦氏の作品で出てくる榎木津みたいなタイプかなと思っていたので。
それと句読点が多かったり少なかったりとまちまちで、正直読みにくかったです。

つーか、警部、ここに未来の殺人鬼がいるよー逮捕しとけー!とか思ったのは内緒。


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大きな物語のダイジェスト版という感じに見受けられました。
文章力は申し分ないし先生の思考次第では良いホラーになりそうな気もするのですが、過去のシーンが半数近くを占めていることが気になりました。
腹の探り合いだったとしても、懐かしい思い出話をするのであれば良いのです。話の軸は今ですから。こちらの作品に関しては、中心点が過去なのか今なのかをつかみ損ねてしまった、というのが正直なところです。
文章力は過去の作品を含めたとしてもトップクラスだと思います。硬めの文体ですが読みやすい。薄気味悪さがたやすく想像できるのも、描写力に長けているからだと思います。見習いたい。


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今回のなかで一番完成されていたお話だったと思います。
文章もてがたく、破綻なく、美しいです。
ただ、冒頭の「貧民街の殺人」のくだりは本編で活かされていないかと。警部が探偵社に行くのを説明したのかもしれませんが、突然訪問するシーンから始まっても充分だったかなと思います。
探偵さん殺されちゃったのかしらね…と思ってしまう。そのぞっとする感じはよかったです。


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今回で一番好きな作品。
女の狂った愛と男の女に対する恐怖がよく伝わってきた。特に、後者にはこっちまでうすら寒くなるほど。
しかし残念なのが、先生の扱い。結局どういう人なのかわからず、出番がほしかったと個人的に思う。


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とてもよく構成された話だと思いました。
スリラー的な要素が感じられ、読んでいてゾクリとする感じもよかったです。
ただ、最後の部分、『この十年間顔をあわせるたび』という部分に少々、違和感を感じてしまいました。
読んだ限りでは十年間、彼は彼女に会っていなかったはずなのに、どうしてこのような表現になるのかと。
そして、あえて彼女の保護者を探偵にする必要があったのかとも思いました。
名探偵物のように始まった話が途中で方向転換をしている。それはそれでいいのかもですが、ちょっと肩すかしをくらったようにも感じました。



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