こつり、額を付き合わせる。部誌を書いている最中だった相手は一度瞬きをして、オレの目をじっと見返してから諦めたように目を閉じた。む、つまらん。


「大坪ー目閉じんなよー」

「…呆れていただけだ。何の用だ、宮地」

「べっつにぃ〜? 暇つぶし」

「作業中のオレでか」

「どうだろうとオレには関係ねーもん」

「…それは分かってるがな」


肩をすくめて、一人で過ごせといわない代わりにまた離れて部誌をめくりだす。オレが構えっていってんのにその態度、全く持ってよろしくない。
今度はぐいっと持ち上げるだけじゃ収まらず、そのままごちっと頭突きをしてやった。あーいってぇ、でも不意打ちだった分大坪の方が痛そうだ。ざまあみろ。


「っ、…! みや、じ!」

「んだよ、大坪のバーカ」

「それがどうして頭突きになるんだ!」

「大坪に頭突きすんのに理由なんかいらねーよ」


はっとせせら笑う。邪魔者は排除に限ると部誌を後ろに放り投げて、そのまま大坪の前に思いっきり座りこんでやった。ついでに足で体を絡めとる。身動きできない大坪は、言うことを聞かない問題児を抱えた親父みたいな顔で頭に手をあてていた。それって結構正解かも? ま、改善する気はこれっぽっちもねえけど。


「構えよ、大坪。オレ暇なんだけど」

「…念のため言うが、オレは今やることがある」

「だから?」

「……お前を説得しようとしたのが間違いだったな」


ぽんぽんと足を叩かれたので、仕方なくそれを外してやった。代わりに頭を抱きこんで、ぎゅう〜とかバカみたいに笑ってみる。大坪が引っ張るままに膝に乗ったら、今度はちゃんと額が合わさった。ついでのキスも、オレの機嫌に大変貢献してくれている。


「大坪はさぁ、オレに構ってりゃいいんだよ」

「…肝に銘じておこう」

「ひひひ」


ずっとずっとオレだけ見てよ、…なーんてな。















うちの宮地さんが大坪先輩のこと大好きすぎて困りました。坪宮両方とも大好きです。
木村先輩だって…大好きですけどね…!! 上級生たまらん!
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「見えない臓器の名前は」
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