×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




今日は仙蔵に付き合って山賊退治のバイトです。
本当なら六年生四人くらいほしいところなんだけど、仙蔵のわがままで二人っきり。
別にわがままはいいんだけどさぁ、これ「松芽(事務員)さんにあげるプレゼント代を稼ぐため」のアルバイトで「ライバルにまで報酬がいくとまずい」から二人っきりらしいんだ。
つまり松芽さんを好きじゃない六年生の安パイ選んだら俺だけでした、みたいな。
まあさ、俺昔っから仙蔵のこと甘やかしてきたし仙蔵がこういう行動とるのも俺の狙い通りだから文句は言わないけどこれってリアルに生死に関わる問題じゃん?
これを機にちょこっと考えを改めてもらえると嬉しいな。
なーんて思いながら背中にざっくりと鉈の一撃を受ける俺。
明らかに人数が足りないため背後をとられた仙蔵を庇った結果だ。

「っ、ぐ」

うむ、痛い。
鎖帷子着てなかったら死んでたな。
ていうか現時点で結構キツい。
燃えるような痛みに歯を食いしばりながら仙蔵を押しのけた手に素早く忍刀を握りなおし相手の脇から心臓へと一気に突き刺した。
腹とか胸は武装してる恐れがあるから狙うポイントは動脈の通ってる間節なんだぜ。
こんな豆知識キャラメルの箱についてたら親が卒倒するだろうな。
斜め後ろにいた男が錯乱して斧を振り上げたのでがら空きになった喉に手刀を打ち込んだら骨の折れる手に伝わった。
こいつで最後、任務完了だ。
どうと男の倒れる音を聞いて俺も膝から崩れ落ちる。
仙蔵声が聞こえるような気がする、けど、なんか遠い。
幻聴か?
いや幻聴じゃないな、こんな必死な仙蔵久しぶり。

「吉茂、吉茂!!」
「せんぞ、だ、いじょうぶ?」

うわー、こんなにダメージ受けるつもりじゃなかったのにやっぱり手加減難しい。
息苦しくってうまくしゃべれないや。
とりあえず仙蔵が無事なことと、俺が仙蔵を庇って受けた傷を見てパニックになっていることを確認してから俺は静かに瞼を閉じた。
いや、死なないよ?
次の段階に向けて、ちょっと眠るだけ。