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「あんたはピンクじゃないけど相性はばつぐんだろうからね」

 そう言って魔法使いに連れられてきた少年のガス抜き役に任命されたわけだが、これがまあ大変だった。
 優秀ではあるが全方位にトゲトゲしい態度のビートはトレーナーとしては下の下であるオレを出会って速攻見下しはじめたし、ポプラさんをはじめとしたピンク集団の下で揉まれるうちに思うところがあったのか目に光を宿してしっかりと前を向くようになったいまもなおオレのことだけは認められないのかことあるごとに悪態をついてくる。相性がいいってマジで言ってる?って感じだ。

「ビートさぁ、オレのこと本気で嫌いならちゃんとそう言えよ?オレ頭悪いから遠まわしだといつまでもそばでちょろちょろてるぞ?」
「あなたの頭の悪さくらいいまさら言われなくたってわかってますよ」
「あーそう?ならいいんだけど……お前変に真面目だから心配なんだよなぁ」
「……あなただってポプラさんに言われたからってぼくなんかに構って、じゅうぶんバカ真面目でしょう」

 真面目って単語にまでバカをつけてくるのかと面白く思いながら「オレは真面目じゃないからポプラさんの言いつけでも嫌ならとっくに構うのやめてるよ」と笑うと「じゃあただのバカじゃないか」と返され追加で笑った。
 嫌味は言うし態度は悪いけど「嫌い」という言葉は絶対口にしないあたりビートにもバカの素質はあると思うんだけど、指摘したらきっと拗ねるんだろうなぁ。