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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「前から気になってたんだけどさァ、クロコダイルの手ってどうなってんの?」

 宝石で飾られた指が葉巻を摘み、つまらなさそうな口元に運ぶ。
 その動きを見て以前からの小さな疑問をふと思い出し、渇きを与えるという能力で人間やら地面やらの水分を奪いまくっているわりにひび割れもささくれもない右手を手に取りまじまじと観察していると突然首に鍵爪をかけられ強制的に首を下げさせられた。そしてそのまま自由になった右手で頭を鷲掴みにされる。別に痛くはないがびっくりするからやめてほしい。

「え、なに?頭撫でてくれんの?褒めてくれるなんて珍しくない?」
「……褒められるようなことをした覚えがあるのか?」
「あー、この間の取引きはわりとうまいことやったと思う」

 クロコダイルに褒められるほどではなかった気がするけど心当たりといえばそのくらいしかない。頑張ったという話なら昨晩は久しぶりだったしいつも以上に気合を入れて頑張ったがそれはノーカンだろう。たぶん言ったらぶん殴られるやつだ。

「お前は自分で自分の脳みそのお花畑具合を褒めてやるべきだな」
「よくわかんねェけど馬鹿にされたのはわかるわ」

 むすりと唇を尖らせると聞きなれた笑い声とともに髪の毛がぐしゃぐしゃと掻き混ぜられた。こういうなんにもないタイミングでクロコダイルの機嫌がよくなる理由、あいかわらず謎だ。